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楽屋口

孤独で、誇り高く、強くありたい。

表のブログは、もう親が見ているから、正直なことを書きようがない。
表の私と裏の私は違う。そんなの当たり前だ。それで良いのだ。
もっともっと地下へ潜りたい。もっともっと奥底へ。他人の中へ。

新作の、というか死ぬまでに書きたい作品はずっとある。
売れるとか売れないとか、そんなことはどうでもいいとわかっているのに
書くという事から逃げるようにそんなことに執着しようとする。
生きている間に売れている作家なんてろくなもんじゃない。
そんなことは関係ない。

幸せは毒だ。
真綿で絞め殺すように感覚を鈍らせる。
そうして歳を取る。
何かを為し遂げたように、諦めることになる。そうして尊いものを失う。
他人様の事は知らぬ。
私の世界、私の絶望の世界、失いたくない、私の絶望の世界を
求めて私は想像の翼を飛ばさねばならぬ。

私が人生で最も重要で書こうと思っている作品は
さらわれた少女が主人公だ。
彼女はどこかの家の地下に囚われている。
そこには無数の本があり、何とか背の届くところに、石鹸箱程の小さな窓がついている。
それは朝の数分だけ、彼女に光を届ける。
彼女はその数分だけ本を読み、自分の物語を妄想する。
拉致された時に持って来た鞄には、数冊のノートと短い鉛筆が一本。
彼女は毎晩彼女を拉致した男に抱かれながら、本を読み、物語を妄想する。
それはこの世界の真実について書かれた物語。
彼女はそれを書き終えると、その窓からそのノートを世界に投げ、鉛筆で心臓を刺し絶命する。
そのノートは、風に吹かれ、そのページはばらばらになり、世界中に散らばる。
そのノートに書かれた物語が、私の描いている全ての物語。

その物語のラストも、決まっている。
本当はその小屋には小窓も、本も無く、鉛筆もノートも無い。
暗闇の中で、彼女は物語を想像し、自分に物語ってやっていた。
そこに犯人がやってくる。
彼女は犯人に外へ出してくれと願うが、殴り殺される。
それが終わりだ。

気を抜くと
運命が自分から離れていくのがわかる。
私から物語が去った時、私は物語を忘れてしまう。
それでもいいのかもしれない。
でも、書かねば、ならない。
書きたい。
それは強く自分自身が物語らねば、どこかで死ぬ子どもの叫び声が、聞こえるからだ。
馬鹿らしい、誰にも言えない、私の、私だけの物語を、私は生きる。
そして死ぬ。それでいい
その物語が、誰に届こうが、届くまいが、私は何も知ることは無く
ただ、冴さんにどこかで、あいつは頑張ったと思ってもらえていればそれで良い

私が
手を放した人
向こうから手を離された人のことを思わぬ日はない
本当はそうじゃないんだと
大声で叫びたいことも
無念も
力不足も
ただ
美しい言葉の為に
私の未来の為に
頑張ろう
君の笑顔の為にも
小さな花の為にも