先日、腰痛治療実験の先生と話していて、
大学で何を学ぶのかと聞かれたとき、
私は一瞬躊躇しました。
そしてそんな自分にショックを受けました。
優秀な人材にビザを与えて
移民を歓迎しているカナダ。
理系の移民、学生が目立ち、
大袈裟かもしれませんが、
「理系じゃないと学ぶ意味はない」という雰囲気を
なんとなく感じ始めていました。
多くの人が考える先住民といえば、
税金も払わず、(実際は払っています)
ただで家を与えられ、
働きもせず
お酒ばかり飲んでいる
怠け者。
その人たちを、
私は子供のころから大好きで、
尊敬している。
でも、先住民に対する思いや、
大学で先住民研究を専攻するということに対する心持ちが
少し変わっって来ているのかもしれません。
そんな思いが、
これから深く知り、入り込んでいくうちに、
変わっていくのか、
どのように変わっていくのか、
あとで振り返られるよう、
今の思いを記したいと思います。
カナダ先住民に出会う前は、
自分たちの土地、生活、文化、多くの仲間が奪われ、
定められた土地に押し込められ、貧しい暮らしをしている彼らは、
自信を失い、希望を、誇りを失い、暗く、悲しく
生きていると思っていました。
でも、4か月英語を学んだカレッジの
セレモニールームで出会った先住民の人達はみな、
とても明るくて冗談ばかり言っている人たちでした。
セレモニールームと、そこでやったジグゾーパズル
もう忘れ去られたと思っていた
祖先から受け継いだ文化はまだ生きていて、
歌や踊りだけでなく、
言語、伝統的な信仰や慣習、伝承、
思想、存在にも、
誇りを持って、
そのはすべては、想像以上に崇高で、
自分の薄っぺらさを思い知らされるほどでした。
私が出会った人たちの多くは、
辛い過去を背負っていましたが、
カレッジで、高校の科目の学び直しや、
専門を学んでいる人たちだったので、
確固たる信念、目標を持ち、
逆境に立ち向かった
一握りの人だったのかもしれません。
それでも、私にはアルコール中毒の人達も、
アルコール中毒者には見えません。
アルコールに支配されてしまっている、
勇敢なのに思慮深く、強いのに暖かく、
誇り高く、品位が高い人々に見える。
立ち直る可能性がないとは全く思わない。
街でよく見かける怒鳴っている先住民の人達は、
みんなが振り返って、
軽蔑のまなざしで眺めて、避けて、
私も、近寄るのは少し怖いと感じる。
でもそれよりも、
戦いに生き残った賢く勇敢な子孫が、
自尊心の低さ、貧困や、アルコールのために
捻じ曲げられてしまい、
安らげない、穏やかでない心になってしまっている。
残念で、残念で、どうにか、誇りを取り戻して欲しいと願う。
いま政府は先住民問題に力を入れていて、
先週も先住民問題を扱う機関が2つに分かれ、
さらに力を入れるということがうかがえて
興奮したのだけど、
私の知ってると思っている多くのことは、
ただの先入観で、本当は違うのかもしれない。
これまでのこと、現状、これからのことをしっかり学んで、
私に何ができるか(できないか)、考えていこう。
おまけ
思い出すと恥ずかしいけど、
今の私はこんなことを言ってしまうということを記録したい。
数か月前、レストランの入り口で初老の白人の女性と
12才ぐらいのインディアン(ファーストネイション・先住民)の男の子が
軽く言い争いをしていました。
レストランに入りかけている女性を
男の子が追いかけようとして、
別の男の子が止めようとしているようでした。
私が通り過ぎてしばらくすると、
この男の子が自転車で私を追って来て言いました。
「リュックを持ってあげましょうか?」
全く膨れてもいないぺったんこのリュックです。
私「いいよ」
少年はまた「リュックを持ってあげるよ」
私は少し怖くなってドキドキしながら
リュックを力づくで持って行かれないよう警戒し、
微笑んだまま何も答えませんでした。
すると彼は私をからかい始めました。
ひどい罵倒ではなく、いたずら心を含んだ子供のからかいです。
彼が去ろうとした時、私の口から無意識に言葉が発せられました。
「あなたは素晴らしい人間だからね。」
「あなたたちは偉大な人達なんだからね。」
少年は驚いたように" First nations(先住民)?"
私「そうだよ。誇りを忘れないで。」
少年"All right. (分かった)"

