結婚が決まってからバタバタと時間が過ぎていく。

結婚式と入籍の日にちは、
「交際した記念日に!」
と俺は考えていたのだが、相方が
「二人の亡き父達に見守ってもらいたい」
というので、それぞれの誕生日に会わせて行うこととなった。

相方のお父さんの誕生日は12月下旬で、俺の父の誕生日は1月上旬だったのだ。
日程的にちょうどいいんじゃない?と思ってカレンダーをのぞいたら俺は驚いた!

なんと!
どちらも大安だったのである!
これには驚いた!
そこから、結婚に向けて一気に加速していったのです。



そして結婚式の前日。

相方の亡きお父さんへお墓参りへ出かけた。
結婚式の日取りは亡きお父さんの誕生日だったのでその前にと足を運んだわけで。

冬型の気圧配置が強まり、大雪の予報であったが嘘のような青空があらわれました。


マジかよ!

これは、きっと亡きお父さんの仕業に違いない…。
娘の結婚と幸せを想う、そんな亡きお父さんの気持ちを察すると、涙がにじんできた…。

(やべやべ…、
あんまり泣かせないでくれよ…。)

二人で鼻をすすりながらお墓へ向かったよ。
最近は、涙もろくて困るよ

相方のお父さんのお墓に改めて結婚の報告をしました。
青空は束の間でしたが、真っ青なきれいな空でした。
その後は、またどんよりとした空模様。
雪もしんしんと降ってきたのです。



そして結婚式当日がやってきた。

天気予報は雪ダルママーク。
でも、俺は晴れると信じていた!
お父さんの誕生日だからね。


朝、起きると曇り空が広がっていたんだけど…。


日の出とともに…、雲が消えていく。


マジかよ!


青空が顔を出したのです。

これには驚いた!
でも晴れる予感はしていました。根拠はないけど、なんか晴れそうな予感はしてた。
山行の時は何度も天気予報をチェックしてたけど今回に関してはほとんどしてなかった。
晴れると思ってましたからね。
天気の心配は全くしてなかったのです。

まさか本当に晴れるとは!驚いた!


式は神前式。

ほんとは式はしない方向だったけど、相方のお義兄さん夫婦の意向もあり、式を挙げることになりました。
聞けば、どうやらお義母さんは、してほしい気持ちあったらしいんだけど、俺達の経済的な負担になると思って言わなかったみたい…。

お義兄さんは亡き父の代わりとして、考えていたみたい。そんなお義母さんの思いも察して、後押ししたみたいでした。

そんなわけで親族のみで行うことにしました。


相方は白無垢やウェディングドレスを選ぶことなく、生前に父が仕立ててくれた振り袖を最後に着たいと決めていたようでした。

ウェディングドレス姿は見たかったけど、そうゆうことならと、俺も納得したわけで。


お義兄さんが赤い和傘を持ってくれた。


ギリギリまでカメラを持ってた俺ですが、神前なのでカメラの携帯は控えました。笑


三三九度の盃。


神前式は滞りなく進みました。

儀式的な手順のリハーサルをしたけど、いざとなると、ほとんど忘れてしまってた。
手順を間違えそうになったり、相方の指がむくんでて指輪が入らなかったり様々なことがあったけど滞りなく終わりました。笑


記念写真もみんな楽しんでくれている。
空を見上げれば青空。
真冬だというのに太陽の光があたたかい。

おそらく亡きお父さん達が天国あたりの気象庁にかけあってくれたとしか思えなかった。笑

多分、ホタルの奴も尽力してくれたに違いない(^^)


場所を移し、披露宴スタート
披露宴って言っても、小さな会食といった感じです。


相方のお母さんが、亡きお父さんの写真を持ってきた。
「そばに置いてて」
って一番近くに飾ってたよ。
ビールいっぱい飲ませないとな!笑


乾杯の音頭を、お義兄さんの子供達(姪)がやってくれた。

相方と遊んだエピソードなどを交え、立派にスピーチし始めた。最後は、
「お姉ちゃんを(相方を)幸せにしないと許さないから!」
と言われたよ。笑

会場は和やかな笑いに包まれました。
大人じゃできない乾杯の音頭に頭が下がります。そして、また涙ぐんでしもうた。

その後は、親族紹介、ごあいさつ、お酒をついだりつがれたり。
キャンドルサービスとかケーキ入刀とかはしていません。あくまで親族との会食という形だったのでね。


そして、自作DVDの上映の時間がやってきた。
(頑張りましたこれ。本当はここ載せたいとこですが、そうともいかず…。)
式2日前という直前に出来上がっただけあって、笑いをとることも、涙を誘うことにも成功した。
それもそのはず、自分で作りながら俺も涙が出てたからね。笑

気づけば、こわもてのお義兄さんの目にも涙が浮かんでいた。父亡き後、長男として思うことも多かったんだろう…。

やさしさとしあわせに包まれた時間にも終わりの時がやってきた。


両家を代表しての謝辞を兄がしてくれた。

母親は、「片親だから…。」と兄貴にお願いしたのだそう。兄貴も俺と同じで面倒くさがり屋なので断るかと思ってたけど、面倒くさそうな顔をせず承知してくれたらしい。

ありがたい。

「むずかしいこと言わなくていいんだべ?」
と何も考えている素振りもなかった兄だが、謝辞を述べ始めたらちゃんとしたあいさつを言い始めた。これには驚いたっけ。
でも途中、おそらくセリフがぶっ飛んだみたいだったが、自分の言葉で謝辞を伝え始めたもんだから、またまた泣きそうになってしまった。油断した。

俺は、この後は新郎謝辞を控えてたから、俺も必死で我慢してたわけで…。
親族の前で泣くわけにはいかない!


そして、俺の番がやってきた。

緊張と込み上げる感情でなかなか言葉が出ない。ちゃんとセリフは覚えていたが、声が上ずってしまう。

ほぼほぼお決まりの常套句のあいさつであったが、自分なりの言葉で謝辞を伝えました。
「乾杯してくれた姪達に怒られないようがんばります。」
と最後に会場の笑いも取れたから百点と言ったところだろう。

終わった!
泣かずに乗りこえた!
後は、万歳三唱を残すのみ!


万歳三唱は、相方のお義兄さんがしてくれた!

万歳三唱なんてすぐ終わるだろうと思ってたら、お義兄さんは話し出した。

自分の生い立ちに始まり、
「妹をかわいがりもしたし、いじめもした」
などと要所要所で笑いもとっていたが、次第にお義兄さんの声が上ずり始めた。

あれ!?
お義兄さん泣いている!

泣きながら妹への思いを話している!気づけば相方もお母さんも鼻をすすって、グズっている!
俺ももらってしまったじゃないか。

もう…。万歳三唱でそんなしゃべる人いるかよ…。

笑いと涙に包まれ万歳三唱が行われ、
式は全て終わりました。


今月は様々な準備に追われました。

ギリギリまで準備に追われ、余裕がなかった。具合の悪いホタルがいたら、おそらく思うように準備はできなかった気がします。

家を空けることも多くなるし…、どうしたもんか…。と思ってた矢先、ホタルは旅立ちました。
おそらくホタルは分かってたのです。それを察して、俺に気をつかって旅立ったような気がします。

旅立ってからも準備に追われ、忙しい日々。
ペットロスになる余裕もないくらいに。
ホタルはペットロスにならないようなタイミングを選んでくれたような気もします。


死して尚、助けられた気がします。
ホタルの奴め、なかなかやりおるわい!



「結婚式なんてお金かかるだけだからしなくていい。籍だけ入れればいいや」
と思っていた俺でしたが、
「やってみて良かったなぁ」
と思い知らされました。

人生の中でこんなに自分が主役になることはそうそうないだろう。その中で、祝ってもらえる嬉しさ、ありがたいものですね。

ありがた過ぎます。

式を挙げてなかったら、相方のお母さんの思いやお義兄さんの思いや涙、亡きお父さんの気持ちを知ること察することは出来なかったはず。

感謝の気持ちと和合の精神を忘れずに頑張らなくてはと思いました。


翌日、母にお疲れ様とありがとうのラインをしました。みんな楽しんでいて良かったよと母も言っていた。

そして、翌日、ばあちゃんが退院したことも伝えてきた。いつ何が起きてもおかしくない状態だったけど、ばあちゃんも無事に乗り越えてくれたみたい。
このタイミングで退院って…。

驚きだぜ…。


みんなに見守ってもらえて、とてもうれしく楽しく幸せな結婚式でした。

見てますか?お父さん達。

なわけで…。