午後になった
ドアが開かれた
「はい~!
鬼が来ましたよ~!」
ひょえぇぇぇぇぇぇ
来ちまったよぉ
「さぁ午前中は頑張ってトイレに行けたので、
午後は外の廊下を歩いて往復してみましょう!」
閻魔様も裸足で逃げ出す地獄の責め苦![]()
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「無理無理。点滴台を持ってやっと立ってるのに」
「でもねぇ、歩かないと腸が動かないからお通じが出ませんよ。そうするとどうなると思います?」
「口
「ひょぇぇ~!!」 要するに出ることが出来ないウンコが溜まって上に上がって来るんだそうだ。
冗談じゃねぇぞ口からウンコが出てくるなんて。
「そうなると口から管を腸まで通してポンプで吸いだします。あれは苦しいみたいですよ」 手術前に十二指腸まで胃カメラ飲まされたときも苦しかったけど、それどころじゃ無さそうだ。
「頑張って歩くのとどっちが良いですか?」
「あ、歩きます歩きます」 廊下に出てみると他にも歩いてる人がいる。そう言えばそれまでにも廊下で徘徊してる人をたくさん見たな。入院中ひまだから時間潰しに散歩してるのかと思ったら、みんな手術後のリハビリのために歩いてたんだね。
おっかなびっくりヨタヨタと点滴台を杖がわりに歩き出す。
病室から廊下の端まで20メートルくらいしかない。普段だったら長さを気にもしない距離。
何とかして脂汗を流しながら往復しただけで疲れきってしまってベッドに戻った。廊下を往復するとしたらこの倍は歩かなきゃならない。とてもじゃないけど歩けそうにない。
それでも少し休んで再挑戦してみると最初よりもうまく歩けるようになった。
「あ、すごい歩いてる
「けっこう歩けるじゃないですか
「偉い偉いナースセンターからもすれ違う看護師からも声援を受けて
単純なオイラはいい気になって歩き続けた。
鬼に脅されながら、そして励まされながらの一日かけての歩行トレーニングの結果はテキメン。翌日には点滴スタンドを押しながら廊下往復が出きるようになりました。
("⌒∇⌒")
口からウンコポンプを入れられることも無かったし
鬼に感謝