だからといって、予算なんか無いし、どうしようかなぁ~
そうだ。自分で作ってしまおう。

材料は、コーヒーの空き缶。
その底に、掃除機から取り出したモーターを取り付けて、ファンが回るようにする。
ファンも、やはりコーヒー缶から切り出した金属板を加工したもの。
ゆっくりと電圧をかけていくと、それなりに風が出てくる。
ひとまず成功だ。
そこで、必要なだけの風力が出るように、電圧を上げていった。
すると、回転音に混じって、「シューン」と怪しい音が。
何の音だろうと覗き込んだ瞬間、
「バシンッ!!」
大きな音を立てて、ファンが砕け散った。
取り合えず電圧を落としてスイッチを切り、回転は止めたものの、止まらないものがあった。
それは、おいらの「血」

小指の付け根から、ドクドク


噴出した血は、腕を伝って床に血溜まりを作っていく。
反対側の手で、血が出ているところを圧迫してやるのだが、そんなの気休めにしかならない。
何しろ、一人で実験室を使っていたので、誰かに助けを求めることもできず、とにかく心臓より高いところに傷口を上げて、安静にすることにした。
一時間くらいたって

簡易ベッドに寝そべっているオイラを見て、昼寝でもしていると思ったのだろうか、気安い口調で、
「あれ? Sさん、そんなとこで何やってんですか?」

と言って近づいてきた。
しかし、そばに来たところで、オイラの作った血の池地獄を発見

「ど、どうしたんですか?」

結局彼が始末をしてくれる間、オイラは血の染み出るバンドエイド(彼が見つけてくれた)を押さえながら、じっとしているしかなかった。
あとから調べてみたら、Tシャツが破れて体に刺さった破片や、壁につきささっている破片。飛び散った血液なども見つかった。
今でも、小指の付け根にあとが残っている。
ここって、やっぱり動脈なんだよね、きっと。
ちょっとわかり難いけど、マークした中
みんな。スプラッタな工作にならないように気をつけようね。
