母の日のエントリに書いたと思うけど、おいらは「結構複雑」な家庭環境の中で育った。
小学校1年生。
父母と母方の祖母が話しをしている間、オイラは風呂場で折り紙のヨットを浮かべて、話が終わるのを待っていた。
折り紙のヨットなんて、すぐに水を吸ってグチャグチャになっていたけど。
最後に、母が「一種に行くか?」と聞いてきたのに、黙って首を振ったのを覚えている。
母と一緒には、行きたくなかった。
その後、実は、その母は実母ではないと聞かされた。
今思うと、それが、あの時「一緒に行きたくない」とオイラに思わせたような、母の普段の言動になっていたのかとも思う。
実母は、残念ながら、死亡したということだった。
そのことを聞かされたのは、その後、数年たってからか?
その後も色々あったんだけど、どうしても忘れることのできない「夢」があった。
希望とか、何かになりたいとか言う「夢」じゃなくって、眠ったときに見る「夢」
あまりにも突拍子も無いんで、自分でもなんでこんな「夢」を見たことを覚えているのか不思議だったんだけど、それは、母親の母乳を飲む夢。
笑った?
いや、マジで、おっぱいにしゃぶり付くと、次から次から乳が溢れてきて、その乳におぼれそうになってしまうと言う、不思議な「夢」だ。
20歳になったとき、父から逢わせたい人がいると聞かされた。
実母だった。
その時の気分?
正直、何も感じなかった。
死んだと思ってたし。
20年も知らなかったし。
「ああ、そうですか。お久しぶりです」
そんな感じ。
それでも、とりあえず実の親子なんだから、少しばかりは話しをしたんだが、ふと思い立って、さっきの夢の話をして見た。
母は非常に驚いていた。
実は、母乳がどうしても出なくて、人工栄養(粉ミルク)で育てたんだそうだ。
だから、オイラの心の中での母乳を飲みたいと言う希望が、あんな夢になってきたのかなと思った。
夢の話以外にも、記憶にあることを話した。
台所(?)で野菜か薬草か何か(蓬?)を細かく刻んでいたこと。
土間のようなところに、大人用の大きな自転車が置いてあったこと。
ゴミ捨て場まで、競争してごみ捨てに行ったこと。
祖母が死に、部屋に寝かされていたこと。
(手を握ると、とても冷たくて驚いたことも覚えている)
それまで、誰とも話したことが無かった記憶が、全て本当のことだった。
母も、とても驚いていた。
人間の記憶って不思議なもんだなと思う。
そんな20年も前のことを覚えているなんて。
しかも、赤ん坊のときの事まで。
母とは、結局疎遠になってしまった。
いくら血のつながりが有るとは言え、20年は長い。
その後、数回手紙をやり取りしたくらいだ。
最後の手紙は、平成元年の日付。
写真を送ってほしいと書いてあった。
送らなかった。
でも、手紙は捨てられずに手元にある。
あれからもう四半世紀。
オイラも途中引っ越してから住所は教えていない。
連絡を取ろうともしなかった。
母が今どこに住んでいるのか、いや、生きているのかどうかも分からない。
参った。何だか、変な事を思い出しちゃったな。