地元のお祭り。

私の両親は毎年御輿を担ぐ。

祭の後。

アスファルトにブルーシートをひいて、道路を占拠しての打ち上げに少し顔を出した。






そこで久しぶりの再会があった。

15年以上会ってなかった。

彼はその頃もう良い大人で、よく一緒に野球をして遊んでたのは私が小学生から中学生くらいが最後だったか。



話は聞いていた。

久しぶりに会った彼の残された命の期限はあと1年くらい。

全身に転移した癌によって彼はほぼ確実に死ぬ。

私の記憶にあった彼よりもだいぶ痩せていた。

会話の中で忘れていた記憶がいくつも甦ってきた。

涙が出そうになった。

彼は昔からお酒と煙草が大好きで、今日も気にせず楽しそうに嗜んでいた。

涙は死ぬまでとっておこうとおもった。



彼は癌の宣告をされた時から治療を拒んだそうだ。


「治療をしようがしまいがみんな死ぬんだよ」


って。







「お前スマホ持ってるのか?写真撮ってくれよ。遺影にするから。」


ほぅ。

なかなかヘビィーなジョークをかましてくるではないか。(笑)














平静を装い笑顔で別れを交わした。



「次は葬式で会おう!」


って。







2016年9月11日。


ブルーシートで占拠した路地裏を心地好い夜風が吹き抜けた。