ハイタッチ
学校へ行く回数がのこり15回程らしい。
あと15回。まだ15回。
どう考えるかは自分次第。
卒業してしまえば、この面子だけで会うことは多分一生ない。
この日にちでどんな思い出を残そう・・・
6時間目、3-Bのみでレクリエーション。
内容はバスケのコートでの鬼ごっこ。
タッチされると鬼と手をつなぎ、協力してまた獲物を狩る と言ったもの。
次第に増える鬼。どんどん狩られる仲間。
男女構わず容赦なく襲って来る。
囲まれたら、ヘッドスライディング。
そのせいで、左足にすり傷が出来た。しかも成功回数はゼロ(´<_` )
何度かやった結果、一番生き残り率が高いのは
A、龍牙(きっとのあの人)、女子2、自分。
久々にあふれる体力の無駄遣いをした感じ。
でも、おもしろかったからよし。
知らないうちにサイドステップが踏めることに気付いた。
思い出を一つ手に入れた。
放課後、合格発表。
みんな、落ち着かない面持ちでうろうろしたり叫んだりしている。
自分も気持ちをまぎらす為に、黒板に応援のメッセージとかをいろいろ書いていた。
女子はお守りを握り締めている。
男子はしりとりをしている。
しばらくして、自分の番。
センセ「どう?自信の方は。」
『微妙ですね。』
センセ「そっか・・・」
―おい、何で声が暗いんだ? おい、まさか!
センセ「はい、これ。」
『…』
センセ「おめでとう。」
そして、帰ろうと玄関へ向かう。
私立専願のクラスメイトが玄関に座っている。
「どうだった?」
『(受かったよ。』
「おめでとー!」
『(ちょっ、声でかいって・・』
「いいじゃん、ハイ。」
手を掲げるクラスメイト。
そこで交したハイタッチ。
「おめでとう。」
『・・・ありがとう』
泣かせてくれる。
学校の坂を降りると、またクラスメイトがたむろしている。
1「お、桜花。受かったか?」
『うん、受かったよ。』
1「おー、流石。」
2度目のハイタッチ。雨の中、手と手がぶつかる音が鳴り響く。
しばらくすると、幼馴染が走って降りてくる。
幼馴染「2、桜花、受かった?」
2「受かったよ。」
『同じく受かった。』
全「ウェ━━━━ヽ(0w0)ノ━━━━━ィ!!」
ここでも交すハイタッチ。
一生忘れることのないハイタッチになったと思う。
家に帰ってもモヤモヤは取れない。
―お前は一体何が不安なんだ?お前は先のことは考えないんじゃないのか?
おい、何とか言ってみろ。
静まり返った部屋。心が答えてくれる訳が無い。
…あいつらは、あの子は、受かっただろうか。
自分だけ受かっても素直に喜べない。
もう、入試の話で大切な時間を失うのは御免だ。