第一華
第二華



このお店もおいしいな。味噌ラーメンのお店だけど、この味なら味噌が苦手な人でも食べれそうだ。
でも、貴音さんは豚骨ラーメンが好きだから豚骨ラーメンがおいしいお店を見つけておきたいな。
あれから、貴音さんと行くためのラーメンのお店を探して歩いている。

「うーん、どのお店もおいしいけど貴音さんがすごく喜んでくれそうなお店が見つからないな。」

たぶん貴音さんならどのお店に連れて行っても喜んでくれるとは思う。
でも、僕としてはそうじゃなくて貴音さんが何度も足を運んでくれそうなお店を見つけたい。
今日は九州ラーメンのお店を探してるんだけど、確かこの辺だったような。

「あ、あったあった。うわぁ結構並んでるなー。」

それくらいおいしい店なんだろうな。よし、並ぼう。
並んでる間は今まで食べてきたお店の情報を整理しよう。
こう見るともう10店舗も食べてるんだ。
貴音さんへの想い、募るばかりだな。

「お客さん注文決まってますか。」
「はい、ぼんしゃんの全部乗せで。」
「ぼんしゃん全部乗せね。」

事前に調べておいたんだ。こってりとクリーミーなとんこつ味って書いてあった。
これなら貴音さんも喜んでくれるはず。

「はい、ぼんしゃん全部乗せになります。」

写真では見たけど、実物はすごい迫力だ。
そして、何よりラーメンの上に乗っている具も綺麗に配置されていて食欲をそそる。

「いただきます。」

まずはスープから一口。
濃厚なのにしつこくなく、口の中で広がっていくこの感じ。

「すごくおいしい。」

次は麺を。
細めの真っ直ぐな麺なのに、スープとよく絡み合って絶妙なハーモニー。
これなら、貴音さんもすごく喜んでくれる。
というより、僕自身がこのお店の大ファンになってしまった。
柔らかいチャーシュー、味がよく染みた味卵、明太子がいいアクセントになっていてキクラゲもこりこりしていて最高。
そして何より角肉がとてもおいしい。

「すいません、替え玉お願いします。」
「はいよー!」

あまりのおいしさに替え玉を注文してしまう。
今度貴音さんと来るときは別のものを食べてみよう。

「ご馳走様でした。」

行列の出来る理由がわかる。それほどまでにおいしい。
そして、行列が出来ているのにそんなに長い時間待ったという気もしない。

「あんなにおいしいラーメンは初めてかもしれない。」

他の店が決しておいしくないわけではないのに。
何かわからないあの店だけの味に魅了されてしまったよ。
貴音さんに胸を張ってオススメできる店を見つけたぞ!



To:貴音さん
Title:今度のオフでラーメン食べに行きませんか。
本文
おいしいラーメンのお店を見つけたので、この前のお礼を兼ねてご一緒にいかがですか。
お返事待っています。



これでいいかな。いい返事もらえるといいな。
まだ、一緒に行けるって決まったわけじゃないけどどきどきしてきた。
早く返事来ないかな。
あ、返ってきた。


From:貴音さん
Title:Re:今度のオフでラーメン食べに行きませんか。
本文
なんと、それは真興味があります。
是非行きましょう。

>おいしいラーメンのお店を見つけたので、この前のお礼を兼ねてご一緒にいかがですか。
>お返事待っています。



やった、OKもらえた。
よ、よし!ちゃんと貴音さんをエスコートするぞ!



第四華 ~へ続く



※本編に書いてあるお店は実在します。興味ある方は↓のリンクよりHPをご確認ください。
九州じゃんがら