「プロデューサーさん。」
「どうした春香。何かすっごい笑顔だけど。」
「RGBってわかります?」
「あぁ、レッド、グリーン、ブルーで光の三原色を表してるやつだよな。」

さっすがプロデューサーさん、これくらいは簡単だよね。
でも、次のやつはプロデューサーさんでもわからないはずだよね。

「それじゃ、CMYKってわかりますか。」
「シアン、マゼンタ、イエロー、キーp」
「ストップストップ!もープロデューサーさんなんで知ってるんですか?!」
「あはは、こういうくだらない知識だけ覚えるのは好きなんだ。」
「せっかくプロデューサーさんにぎゃふんと言わせれると思ったのに。」

悔しいー!でも、私が大好きなプロデューサーさん。
物知りで優しくて、でも時には厳しい憧れの人。
うーん、今の私じゃ振り向かせられないのかな。

「せっかくだから、律子にも聞いてみたらどうだ。案外知らないかもしれないぞ。」
「あ!そうですね!ちょっと行ってきます。」
「春香、足元にはk」

どんがらがっしゃーん!

「って、ちょっと言うのが遅かったか。大丈夫か春香。」
「いっててて、プロデューサーさんありがとうございます。」
「怪我してないなら大丈夫そうだな。でも、気をつけるんだぞ。」
「はーい。」

うぅ、プロデューサーさんの前で転んじゃうの恥ずかしいよー。
でも、優しいプロデューサーさんは手を差し伸べてくれる。
えへへ、手を握れるなら転んじゃってもいいかなーなんて。
って、いつまでも甘えてばっかりじゃプロデューサーさんは私に見向きしてくれないかも!
とにかく、今は律子さんを探さないと。

「あ、律子さん。」
「あら、春香どうしたの?」
「律子さん、RGBってわかります?」
「当たり前じゃない。光の三原色でレッド、グリーン、ブルーでしょ。」

まあ、これくらいはね。次でぎゃふんと言わせちゃうんだから。

「それじゃCMYKってわかります?」
「シアン、マゼンタ、イエローとK?Kって何かしら……」
「あれれ~律子さんわからないんですか?」
「う、うるさいわね!ど忘れしちゃったのよ!」
「自分わかるぞ!」
「響ちゃんいつからそこに!?」

気付けば響ちゃんがいた。
え?響ちゃんわかるって本当なのかな。

「Kは黒のKだぞ!へへん、どうだ春香。天才の自分にわからないことなんかないんだぞ。」
「う、うん。そうだね……」
「ん?どうした春香。」
「響、Kが黒だなんてそんなわけないじゃない。」
「何をー!律子ど忘れしたとか言ってわからないから悔しいんだろ!」
「なんですってー!」

あわわわ、どうしよう。二人が喧嘩始めちゃったよ。
何とかこの場を収めないと。

「あ、あの響ちゃん。」
「自分は今忙しいんだぞ。」
「Kは黒じゃないよ?」
「ほら見なさい。やっぱり違うんじゃないの。」
「うがー!わかってない律子に言われたくないぞ!」
「どうしたんだ律子と響。」
「プロデューサーさん!」

ナイスタイミング!こういうときに頼れるプロデューサーさん。
こんなことになるなら、自慢しようとしなければよかったよ。

「なるほど。Kはキープレートって言ってな、画像の輪郭の細部を示す印刷板のことを言うんだよ。」
「そんなの知らないぞ!Kは黒だって!」
「信じられないでインターネットで調べてみるといい。それと律子、こんなことで言い争いなんてらしくない。」
「滅相もございません。」
「春香もこれに懲りたら俺以外にこんな問題あまり出さないように。」
「はい、ごめんなさい。」
「まあ、元々は俺が律子にでもって言ったのが原因だから俺も謝らないとな。3人ともすまなかった。それじゃこれにて、お開き。同じ事務所の仲間なんだから仲良くやっていこうな。」

やっぱりプロデューサーさんは大人だなー。私もプロデューサーさんに見合う女性にならないと。
頑張れ私!えいえいおー!



「んがー!自分は納得いかないんだぞ!」



~Fin~