一体いつからだったんだろう。
僕の中にこの気持ちが芽生えたのは。
どうして気付いてしまったんだろう。
理由はわからない。恋なんてアイドルしてる間はしないと思っていたのに。

(貴音さん……)

「涼さーん!おはようございます!」
「あ、愛ちゃん、おはよう。」
「涼さんなんだか元気ないみたいですけど。」
「そ、そうかな?ちょっと考え事してただけだから大丈夫だよ。」

愛ちゃんに心配されるくらい顔に出てたんだ。
しっかりしないと!


「ふぅ、今日もこれでお終いだね。」
「涼さん、調子悪い?」
「え?そんなことないけど。」
「なんか、いつもより動き悪かった?」
「そ、そうかな?」
「悩み事あるなら相談に乗る?」
「大丈夫だよ。心配かけてごめんね。」

絵理ちゃんにまで心配されちゃった。
そんなに影響でてるのかな。
たまには外食でもして気分を変えてみよう。
うん、そうしてみたら何か変わるかもしれない。



「もし、そこにいるのは秋月涼ではありませんか。」
「た、貴音さん!?どうしてここに。」

静かに胸が高鳴る。会って再認識する。
僕やっぱり貴音さんのことが好きなのかもしれない。

「やはり、秋月涼でしたか。」
「こんばんは、貴音さん。」
「おや、声が上ずっているようですが大丈夫ですか。」
「れ、レッスン終わりだったんでちょっと疲れてるだけです。」
「それならいいのです。では、私とらぁめんを食べに行きましょう。」

えぇ!?い、いきなり二人きりで食事は緊張しちゃうよ……
ど、どうしよう。元々外食しようかなと思ってたから断る理由もないし。
お、思い切って一緒に食べに行こう。

「是非、お供させてください。」
「よい心意気です。では、行きましょう。」

急にではあるけど、貴音さんとラーメンを食べに行くことになった。
すごく嬉しい反面、すごく怖い。
自分が自分でなくなっていくような気がして……

第二華 ~へ続く