実はその1の続き
はぁはぁはぁ……
逃げ続けた少女が肩で息をしながら後ろを振り返る。
追ってくる様子はない。
「雪歩……優しかった雪歩はもういないの?」
悲痛な叫びを呟く。
どうしてこんなことになったのか、何が目的なのかもわからない。
今はただひたすら仲間を求めるしかない。
そんな時、不意に少女に声をかける声が聞こえた。
「真……?」
聞き覚えのある声、いつでも逃げ出せる準備を整え声のしたほうを向く。
赤いリボンをつけている、春香だ。
「春香、両手を上げて!」
「え?な、なにどうしたのいきなり。」
「いいから早く!」
真も両手をあげ、何も持っていないことを証明する。
春香も様子がわかっていないみたいだが、両手をあげる。
「よかった。春香は僕の仲間なんだね。」
「仲間?どういうことなの?」
真は春香に先ほど起きたことを全て話す。
雪歩が刃物を持って襲ってきたこと、あずさが律子に刺されたこと。
春香も信じられないといった表情で話を聞いていた。
「だから、僕はみんなが戦わないで済む方法を考えたいんだ。」
「そ、そうだよね。みんなが殺しあってまで叶って欲しい願いなんてないよね。」
「だから、これ以上誰かが犠牲になる前に何とかしないと。」
真は仲間がいたことに安堵する。
一人じゃない、それだけが少女の支えになった。
薄暗い廃墟の中で仲間同士で殺し合いをするなんて、絶対に嫌だ。
その思いが真を支配していた。
(しばらくは都合のいいように動かせそうね。)
一方の春香は違った。表面上は普段通りを装っているが心の奥底はどす黒い欲望に支配されていた。
仲間であると装っておくことで自分の目的が達成できる。
彼女は利用できる人間を探していたのだった。
「よし、僕達もそろそろ行こう。」
「うん、私達みたいな人が他にもいるといいね。」
新たな仲間を求めて真は春香と歩みだす。
新たな手駒を求めて春香は真と歩みだす。
(さあ、精々私のために動いてちょうだい。期待してるわよ。)
春香の黒い野望が動き出す……
はぁはぁはぁ……
逃げ続けた少女が肩で息をしながら後ろを振り返る。
追ってくる様子はない。
「雪歩……優しかった雪歩はもういないの?」
悲痛な叫びを呟く。
どうしてこんなことになったのか、何が目的なのかもわからない。
今はただひたすら仲間を求めるしかない。
そんな時、不意に少女に声をかける声が聞こえた。
「真……?」
聞き覚えのある声、いつでも逃げ出せる準備を整え声のしたほうを向く。
赤いリボンをつけている、春香だ。
「春香、両手を上げて!」
「え?な、なにどうしたのいきなり。」
「いいから早く!」
真も両手をあげ、何も持っていないことを証明する。
春香も様子がわかっていないみたいだが、両手をあげる。
「よかった。春香は僕の仲間なんだね。」
「仲間?どういうことなの?」
真は春香に先ほど起きたことを全て話す。
雪歩が刃物を持って襲ってきたこと、あずさが律子に刺されたこと。
春香も信じられないといった表情で話を聞いていた。
「だから、僕はみんなが戦わないで済む方法を考えたいんだ。」
「そ、そうだよね。みんなが殺しあってまで叶って欲しい願いなんてないよね。」
「だから、これ以上誰かが犠牲になる前に何とかしないと。」
真は仲間がいたことに安堵する。
一人じゃない、それだけが少女の支えになった。
薄暗い廃墟の中で仲間同士で殺し合いをするなんて、絶対に嫌だ。
その思いが真を支配していた。
(しばらくは都合のいいように動かせそうね。)
一方の春香は違った。表面上は普段通りを装っているが心の奥底はどす黒い欲望に支配されていた。
仲間であると装っておくことで自分の目的が達成できる。
彼女は利用できる人間を探していたのだった。
「よし、僕達もそろそろ行こう。」
「うん、私達みたいな人が他にもいるといいね。」
新たな仲間を求めて真は春香と歩みだす。
新たな手駒を求めて春香は真と歩みだす。
(さあ、精々私のために動いてちょうだい。期待してるわよ。)
春香の黒い野望が動き出す……