Think global ,Act local | バックミンスター・フラーを知ってから

Think global ,Act local

「Think global, act local」は人類の進むべき道ではないと
梶川氏は言っている。

私の理解では、この言葉ではまず(個々がその立場で想定できる)全体像を
思慮してから、その全体像に反しない行為をする。

こういうことが、メッセージとしてあると思われる。

しかし、これは裏を返せば、権力機構が提示した全体のイメージに
「個々が世界の地域のそれぞれで、素直に従え」というメッセージであると思う。

それから導き出される行動はエコポイントの期限内に車を購入しようと
駆け込んだり、割り箸をマイハシにするとかビニール袋をナイロン袋に持ち替えるという
だけで、その他の生活スタイルは一切変える必要は無いという、暗示への裏返しだ。

また、梶川氏はそれに対してあるべき姿として、シナジーが働いた酸素と水素の結合と
その結果としての水の比喩をよく用いている。

この場合、個々の要素である酸素と水素には、その結合である水の性質を予感させるものは
一切無い。
酸素と水素の結合からなる水、この働きはシナジーである。
シナジーによってより秩序だった生命にとっての欠かさざる決定的な「水」ができ
その次の段階としてより秩序だった生命が形成されうるのだ。

これを酸素と水素=個々の個人、水=より秩序だった人類をより発展させる社会
と置き換えると、個々人は来る社会というか結果をその事前には予期できないということになる。
つまり、事前に予期できる概念、そのための行動は望ましい結果を決して創生しないということになる。

では、個々人はマスコミで繰り返される「Think global, act local」以外に一体何を行動すればいいのか
となる。

そこで、やはりヒントになるのは酸素と水素の自然の振る舞いを考察することになる。
酸素と水素は水を作ろうとして、互いが結合するわけでは「ない」。

それぞれが自然経済的(=決して金銭的経済ではない)により安定した形を、より少ないエネルギーで
成し遂げる原理(more with less)にしたがって結合したのだ。

つまり、個々人が自然経済的にmore with lessを行動原理として活動し始めたとき
シナジーが働き、人類の社会が酸素や水素が結合して水が生成されたことのように
全く予想できないが、より本来の意味での富を増やす方向の形に変化するだろうということだ。

これが、つまりはフラーが(more with less)を何度も主張したことの意味であるように思う。

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