分娩室でしばらく安静にしたあと、車椅子で部屋に戻った。
とくにふらつきもなく、普通に歩く事ができた。


なんだかいろんな実感が湧かないけど、とにかく息子にまた早く会いたくて、わくわくしていた。



しばらくして息子が新生児用のケースに入れられて、ゆっくりとやってきた。


上に乗っているガーゼをそっと除けると、可愛いお顔。

抱かせてもらったら、まだ温かさが残っていた。


220gとすごく小さいけど、片手ではギリギリ持てないサイズだ。


両手で抱えてよく眺める。
涙が止まらなかった。


助産師さんが、



「本当にね、ウメ子さん、IVFで授かったんだもんね。

こんなに難しい判断をよく頑張ったね。

うん、本当によく頑張ったよ」


と肩を撫でてくださった。



昨日からいろんな助産師さんたちが、体外の話をしてくれて、こんなふうに励ましてくださる。


ずっとこの子の移植が楽しみで、この子の凍結胚の写真を部屋に飾って、毎日眺めていた。

まんまるでキラキラした胚盤胞。
移植時のグレードは6BA。
分割記録も写真で残っているけど、
良いグレードに育ってくれた。

あの小さな小さなたまごが、
こんなに大きくなって、
こんなに可愛い人の形になるなんて。

受精卵は生まれる方法を知っているというけど、本当に不思議だ。
本当によくここまで育ってくれたなとしみじみ。。




出産前に、助産師さんに手型と足型をとらせてもらうお願いをしていた。

しかし皮膚が想像以上にもろかったので、絵具を塗ったり拭き取る時に皮膚がはがれてしまいそうだった。

身体を傷付けることに抵抗がわいてしまったので、やっぱり遠慮しようとしたら、記念なのでやりましょうと勧められた。息子には申し訳ないけど、意を決して、トライすることにした。


手は奇形があって押せなさそうなので、足だけ。持ってきた筆で絵具をちょんちょん乗せるんだけど、、、
油性のスタンプ台ににすればよかったと激しく後悔。とにかく皮膚に絵具がのらないのだ。はじいてしまう。

油性は落ちなくなりそうだからあえて水性にしたんだけど、これが間違いだった。しかも筆で塗ることで、皮膚を削ってしまっているような感覚があった。

これではかわいそうだ…。
申し訳ないと思いながらもう進めるしかなかった。

厚めに絵具をつけて、夫に薄めの画用紙でペタっと押してもらった。

なんとなくだけど、小さな足型がとれた!
指が全然写らなかったけど、写真に収めたのでOK。

息子の足裏には、土踏まずもしっかりできていた。
可愛い。






その後はまた3人で写真を撮って貰って、しばらく抱かせてもらった。

ほんの少しの時間だったけど、とても幸せだった。





夜は11時まで夫が一緒にいてくれて、お腹をさすったりしてくれていた。

1人になるのが怖かったけど、夫もほとんど寝ていないし、帰ってもらった。


久々に、本当に1人でベッドに横たわった。

仰向けになっても苦しくない。
うつ伏せもできる。

誰もいないお腹。

この夜も興奮が続いていたので、ほとんど眠れなかった。ここ2週間くらい、ずっと寝不足だ。