三位一体節後第9日曜日 | J.A.Ludwig(山田康弘)のブログ

J.A.Ludwig(山田康弘)のブログ

この名は、尊敬する3人の音楽家からお借りしました。

 この日の譬え話は、実に不可解なものである。金持ちの管理人が不正が暴かれて失職しそうになり、再び不正な手段で色々な人に恩を売り、職が得られるように目論んだというもので、結論として、「不正にまみれた富で友達を作りなさい。そうしておけば、金がなくなったとき、あなたがたは永遠の住まいに迎え入れてもらえる」とまで言うのである。(ルカ1619

 「主よ、汝のしもべを裁きたもうな」BWV105では、不正を咎められる管理人の心理が、罪人が神の裁きを畏れるものとして捉えられ、合唱やアリアにおいて深刻な恐れや震えの表現が見られる。勿論、曲の後半ではそれらが平安へと向かう。

 「われいかで世のことを問わん」BWV94は、前曲とは打って変わって、フルートのオブリガートも伴う明るい調子のコラールカンタータ。(キンダーマンのコラールを基とする)この世の宝を拒み、神の愛をすべてとする内容。

 「勤めの報告をいだせ、と轟く雷の言葉」BWV168は、鋭いリズムで糾弾するバスと恐れおののくテノールとが対比される、室内楽的カンタータ。