2019年3月6日
 

生検

生検を行う。

悪性だと確信されているのなら生検なしで

がんを刺激せず手術に辿り着きたいと思ったが

そういうわけにもいかないのだろうな。。

心配性で想像力が逞しい私は

腫瘍にメスを入れて1か月放置することが怖く思える。

 

今回は注射のための表面麻酔の使用はなく

そのまま舌の3~4か所(極度の緊張状態で記憶曖昧)に麻酔の注射をし

メスでかなり大きな範囲を切り出し、縫い合わせた。

 

以前と同じく切り込み生検(正常な上皮と病変の一部分を切り出すもの)だったが
切除生検(病変全体を切り出すもの)に近い切り込み生検だったようで
腫瘍の殆どを筋層まで含めてごっそり切除したようだ。

しかし、切除生検とは違い、腫瘍全体を切り出したわけではないとのこと。

生検後に結果を見れば腫瘍が内向型かどうかも分かると副主治医が話していたので

その結果を得るためにこの病院では生検で奥深くまで切り出す方針なのだろうか。

それとも前回が控えめだっただけでこれが一般的な方法なのだろうか。


主治医は口腔がんのプロなので、意図あっての切り方で

悪いようには絶対にしていないはずだと思っているが

右も左も分からない過度な心配性な素人としては

がんにメスを入れる生検はがん細胞の播種のリスクがあるとあちこちで読んでいるため
今回のように中途半端にがんを残したまま、奥深くまで切り込むことで
筋層に散って転移を早めてしまったりしないものなのかと悪い想像が止まらない。

しかし、恐ろしくて聞けずに終わってしまった。

この生検により筋層まで達したものがひとつ残らず取り除かれていれば良いのだが。

 

この日から2週間以上経った今日時点で縫い合わせた痕も消え

舌にはまるで腫瘍などなかったかのように見た目だけは綺麗になっている。

だが、腫瘍を切り取って縫った場所の内部が膨れて張り詰めている。

時々ピリピリした痛みや鈍い痛みを感じる。

がんが表面で増殖するのならいいけども

深く抉って縫い合わせた筋層内部で増殖していたら…

という想像をしてしまい恐ろしくなる。

それでも数が減った分、まだマシなのだろうか。

膨れて痛むのが傷跡だったら良いのだが。

鬱気味なのか何を考えても不安になり悪い想像をしてしまう。

早く取り去りたい…。

 

 

手術の待ちは1か月以上になることが多いので

いつ頃手術できるのかという目安も知りたいし

結果が何であれ痛いまま放置するわけにはいかないので

生検の結果を待たずに手術日を決めることは可能なのか相談してみる。

 

→手術は既に計画しているが一番早くても1か月ぐらい先になる。

 予防的リンパ節郭清も行うか検討してから決めた方がいいので

 生検の結果を聞いてから日にちは決めた方がいいと思うとのこと。

 

 

生検後の舌の痛みについて。

前回は手術後よりも生検後の激痛の方が辛かった記憶があるが

今回は腫瘍の疼痛がかなり強かったので

生検後の痛みは腫瘍の疼痛同等ぐらいと感じた。

腫瘍の疼痛なのか、深くまでメスを入れた傷の痛みなのか、縫われた糸の痛みなのか

或いはその全てなのか、もはや何の痛みなのか判別不能。

糸の本数が多かったことと、よく動く舌先であることで、痛みは強かったと思う。

 

 

PET-CT、MRI、CTの結果
3つとも悪いものは何も写っていなかったとのこと。
原発巣すら確認できないとのこと。
PET-CTはスライス3mm幅だが小さな腫瘍であっても
経験上は必ず光っているのに全く光っていないとのこと。

原発巣が写らないのはよく分からないが
今時点でリンパへの転移、遠隔転移はないことが判明。

 

 

2019年3月15日

抜糸と、生検の結果を聞く日。
家族を連れてきてほしいということで夫を連れて病院へ行く。

 

抜糸は相変わらず舌をハサミで切られているように痛い。

糸が舌に食い込んで中に埋まっているようにも見えるので

その糸を引っ張ることで痛みを感じるのかもしれない。

涙を流しながら耐えていたら表面麻酔を塗ってくださった。

今回は切った範囲が広かった分、糸の本数も多かった。

 

主治医
「緊急手術が入ったので説明している時間がない」
「どちらにしても手術は必要だろうから
 抜糸の後に術前検査に行ってください」

急遽、以下の術前検査をこなし、口腔外科へ戻る。

・心電図
・血液採尿検査
・肺のレントゲン検査
・肺機能検査

 

 

生検の結果
主治医
「生検の結果はまだ出ていないので
 直接病理に電話して聞いてみたら二つの情報だけ分かりました。
 扁平上皮癌。筋層浸潤(後日、筋層に「広がっている」と判明)。
 組織学的悪性度は不明(後日、中分化型と判明)」

悪性は想定内だったが
筋層に浸潤しているという話を聞いて倒れそうになる。

病変は5mmと8mm程度の膨らみなので、早期発見だと思っていた。


1月末で硬結がなかったという話から、がん化が2月だとしたら
たった1か月程度で筋層に達するなんて凶悪すぎでは?
筋層に浸潤しているということは転移する可能性が高い。


7年前のがんは表在型だったので表面に広く広がっていくがんだったが
今回は中に向かって育っていく内向型らしい。

内向型の腫瘍はネットで見ていると
中心部分がへこんだ潰瘍型のものばかりだったので
自分のがんが内向型だとは考えてもいなかった。

私が調べたところによると
一時転移率は表在型で4.9%、外向型で12.6%、内向型で24.9%。
後発転移率は表在型で12.5%、外向型で15・9%、内向型で27.6%
つまり、内向型全体で転移するのは52.5%

転移予測は筋層浸潤しているか否かが重要な判断材料になる。
内向型は内側に育っていくので短期で筋層に浸潤するのだろう。
普通は舌癌の存在に気づいてから
診察予約、診察、検査予約、検査、検査結果待ち、手術待ちと
手術までに大抵2か月ぐらいかかってしまうと思う。
それを考えると内向型の人はどんなに早期発見であっても
切除した時点でほぼ筋層に浸潤した状態なのではないだろうかと思い
主治医に質問してみたところ「内向型=筋層に浸潤している」とのこと。

よって内向型の人は切除時点では全員が筋層に浸潤しているとのこと。

内向型でも筋層に浸潤している場合していない場合があったのなら

私は転移する半分に入っている可能性が高いが

筋層に浸潤している点は皆同じということなので確率は半々というところか。

 

 

手術方法の選択
この動揺して頭が真っ白で、情報も出そろっていない中で
・舌の切除
・舌の切除&予防的リンパ節郭清
どちらを選ぶかその場で判断しなければならなかった。

舌の切除だけなら、急遽手術室に空きが出来たので二週間後ぐらいに出来る。
郭清もするなら、手術室を一日押さえなければならないので随分先になる。

とにかく筋層に浸潤しているというがんが日々増殖していることが恐ろしくて仕方ない。
頭が真っ白なまま「一日も早く原発巣を取り除きたいです」
と震えながら言うのがやっとだった。

 

手術の予約を入れてもギリギリまでキャンセルはできるので
気が変わったらいつでも連絡してくださいとのこと。


筋層に浸潤しているということでハイリスク組なのは間違いない。
今回の判断が正しかったのかどうか
後にならなければ答え合わせはできないが自信がない。