舌を切除してしまっているので、不都合があることは仕方のないことです。
しかし、もしもその辛さを軽減できる方法があるのなら
その方法を試してみたいという思いがありました。
私の例なので役に立つかどうかは微妙ですが私の覚書も兼ねて
舌癌手術後の形成手術についての相談記録をここに残します。
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私の舌癌は舌縁に近い舌裏に出来ましたので
舌の裏側が谷折り、表側が山折りになるような感じで縫いました。
術後は舌の表側が裏にかなり来ていたために
舌が裏返って引っ張られている感じが辛く
毎日頑張って引っ張ったり力を入れて伸ばして来ました。
そのせいなのか時間の経過のみでそうなったのか判りませんが
今では舌の裏に来ている表面が随分少なくなりました。
見た目では随分良くなったものの
それでも何故か次のような苦しみで
眠れない日が時々あります。
・舌が裏返っていて苦しい感覚。
・舌の裏返りを正そうと無意識に顎肩首に力が入り続けてしまう。
・舌が裏側に向けて引っ張られてはちきれそうで苦しい感覚。
舌の縫った場所を引っ張ったり強い力でギュウギュウ潰して
痛みを与えることでその間だけ気が紛れるというか。
身体が浮腫んでいる日にこうなるような気がしています。
ある日、舌が苦しくて眠れないと相方に話していたら
「手術後の不都合は形成で治すってよく聞くじゃない?
舌の場合はどうなの?」
という質問を受け、検索してみるも
舌癌で切除した人の舌の形成手術についての情報を
見つけることが出来ませんでした。
形成手術でどんなことが出来るのか?と
知識のない人がいくら妄想していても
結論が出るはずもないので主治医の先生に聞いてみたところ
後日、他の先生に相談する機会を設けて頂きました。
その先生によると
・引っ張りの強さは酷い方ではないように見える。
もっと酷い人もいる。
・今は幸い舌の痺れがないが、再度舌を切ることにより
舌の痺れが出てしまう可能性がある。
普通の人ならちょっと切ったぐらいで神経に触る事はないが
手術で深くまで抉っているため
ちょっと切ったぐらいでも神経に触れるかもしれない。
・もしも手術するならこのようなやり方でやる
*縫ってある所を切って開く
舌癌の手術ほど大掛かりなものではなく
部分麻酔で日帰り手術できる程度である。
しかし舌を切ると不都合が多いので安全のために2~3日入院。
舌が横に引っ張られて裏返っているよりは
舌が縦に引っ張られる方が楽になると思う。
・痺れ以外にも予想外の不都合が出る可能性もある。
というお話でした。
次の診察が半年後だったため、半年間の時間を頂いて
いろんな人に相談しながらじっくり考えました。
痺れの後遺症は出ない可能性もあるけれど
手術を受けるなら出るものだと思って受けなければならない、
痺れを受け入れる覚悟がないのなら手術を受けてはならないと考えました。
そして半年間悩んでその覚悟が出来なかったので
形成手術は受けないという答えを出しました。
主治医の先生は
「今はその答えで受けておきますが
やっぱり手術を受けたいという気持ちになったら
いつでも遠慮なく言ってくれていいですからね」
と優しい言葉を返してくださいました。
形成手術は受けないことにしましたが舌が苦しく眠れないのは辛いので
今後、気にならなくなる方法が何か見つかると良いなと。
あとは、身体が浮腫まないように気を付けなければ。
でも、気持ちは前に進めました。
漠然とした未知の可能性に期待を膨らませるより
現実を知ることが出来て良かったです。
選択できるカードを知って自分で選んだのなら後悔はしません。
先生方がこのような相談に対しても
真摯に対応してくださったので助かりました。
ありがたいことです。