4年半の生存報告をサボりました。てへぺろ(古)
経過は順調で元気です。

「便りのないのはよい便り」というヤツです(適当)


手術から5年経ちましたが最後の検査の結果はまだ先になるため
5年の報告は検査結果を聞いてからまた改めてしたいと思います。

(この記事ではコメントを閉じます)

 

今回はずっと迷っていた歯列矯正について
自分なりの結論を出すことができたのでその経過を書きます。
これは私の例なので個々内容は違うと思いますが
舌癌を患い歯列矯正を迷っている方
舌癌を患い抜歯を検討されている方の参考となれば幸いです。


再検討まで
年末年始から春にかけて
なかなか治らない舌の出来物が出来ました。
素人目で、あのグロい舌癌とは違い
よくある普通の口内炎に見えて
硬さもなく、サイズも小さなままででしたが
・いつも歯に擦れている箇所に出来たことと
・常に歯に当たり痛みがあったことと
・何ヶ月単位で治らないため
 今は舌炎に見えてもまた癌化するかもしれないという不安で
念のために主治医と口腔がん専門医の先生と一緒に
経過を見守っておりました。
その舌炎は春に無事に治りました。

しかし、舌の切除と抜歯によって
新たに刺激を受けるようになった舌縁部に
新たな舌癌が出来るかもしれないという不安が
今回の治らない舌炎発生によって高まり
保留にしていた歯列矯正を再検討することにしました。
(追い詰められてからやっと本気になるタイプ(ノ∀`))

 


問題点の洗い出し(素人判断)
私は舌癌の切除手術の時に左右5番の歯を抜く選択をしました。

5番は舌癌を作った直接の原因の歯だったわけではありませんでしたが
子供の頃から舌の裏側に常に当たり続けていた歯であり
この歯のせいで白板症が出来た土台があったところに傷が付き
舌癌に至った可能性もあると考えてのことです。

しかし、5番の歯を抜く選択をしたことで
当時は予想もしなかった新たな問題が発生しました。


4番6番が内側へ
歯を抜くと残った歯達は移動します。

5番に隣接していた4番と6番の歯は
5番の歯を失ったことで徐々に内側に倒れながら
移動していったと思われます。


そして内側に倒れているその4番の歯のギザギザ部分が
切除により一部飛び出した形になった舌に当たり
度々舌炎を作っているのだろうと思いました。


下前歯が内側へ
さらに、下左右5番を抜いたことで下の歯の歯列が縮まり
上の歯と下の歯の歯列の差を広げたのだと思われます。

下の歯がそれぞれ一本ずつ足りないために

下前歯が舌側に若干引っ込み

上の歯との噛みあわせのの差が広がったように感じています。

(以前の歯並びはグレーのライン)

 

そのため上の歯が下唇の裏を刺激し続けていて
下唇の裏が出血したり、皮が剥けて痛い日もあります。

舌癌の手術をしてから噛み千切ることがうまくできなくなり
うどんやレタスなどが上手く食べられなくなったのですが
それは舌の筋力が不足したせいだと思っていました。
しかしそうではなく、上の歯と下の歯の位置が以前よりも
離れてしまったことにあったのではないかと思いました。

これは歯列矯正が必要かもしれない。


主治医に相談
定期通院の日に主治医に
「ついについに!この私が重い腰をあげました!」
と仰々しく宣言して歯列矯正について相談しました。

歯列矯正をするならばこんなところが信頼できる等
親身になってアドバイスを頂きました。
私は歯科業界の右も左も分からないので
同業界の主治医の意見はとても参考になりましたし心強かったです。
そのアドバイスに沿って矯正歯科を探しました。


矯正歯科で相談
事前にメールで相談内容と共に予約を入れました。
当日はその日のために作成したプレゼン資料と共に(笑)
私が問題だと認識している箇所や
どのようにしたいという希望や
疑問点の数々を纏めて説明してきました。

私が躊躇なく舌癌の話を説明していたら
逆に周りを気遣わせてしまったようで
「病気のお話もあるので」と個室に呼んでいただきました。

「審美」でも「噛み合わせ」でもない「舌癌予防」という
矯正歯科ではかなり特殊な相談内容だったようです。
「とても重要なことなので真剣に検討しなければならない」と
2時間もかけてどうするのがベストか一緒に考えて頂きました。

結論から言うと
「矯正はお勧めできない」
というご判断でした。

 


左右2本ずつを起こすだけでは他に問題が出る
素人の私は
「5番を抜いたことで倒れた4番と6番を起こせば解決♪」
と簡単に考えていましたが

矯正のプロの考えは違っていました。

・倒れた4、6番を起こすことで歯がまた移動し歯並びが変わる

・下の歯が左右1本足りていないことで
 上の歯並びと下の歯並びに今でも大きな差があるのに
 さらに差が広がることで噛み合わせの悪さ等別の問題が起こる

・倒れた4、6番を起こすなら
 同時に上の歯も1本ずつ抜いて並びを合わせる必要がある

・よって上下の歯列矯正が必要

・総額は100万円を超える


矯正金具が口腔粘膜を傷つける可能性
・歯列矯正中の患者さん達はしょっちゅう
 口内炎が出来た、出血した等
 金具が粘膜を傷つけることによる痛みの訴えを受けている
 (但し、それでガンになった人の話は聞いたことがない)

・私の頬粘膜や舌に常に歯の圧痕があるため
 テンションがかかりやすい(矯正金具により粘膜が傷つきやすい)
 と思われる

・金具を裏につければ舌が傷つき、表につければ頬粘膜が傷つく
 金具のないマウスピースタイプもあるが
 私の場合は抜歯し大きく動かす必要があるため向かない

・がん予防という観点から考えると
 矯正金具を何年も装着し続けることはリスクがある


矯正専門医の先生の結論
「審美」や「噛み合わせ改善」のためだったら
自信を持ってお任せください!と言える。
そこは自信がある。

でも「がん予防」で行うにはリスクも値段も高すぎるのではないか。

しかも、歯列矯正の金具の刺激が原因で
新たに口腔がんを作ってしまうという
本末転倒な結果になる可能性もある。

目的通りの結果を出せるとは限らないので
お任せくださいと胸を張って言えない。

よって私はお勧めできない。

私ならどうするか。
倒れている歯のギザギザした箇所が問題なら
そこが舌を傷つけないよう削ってツルツルにしてもらう
私がえりざさんならきっとそうすると思う。


私の結論
実際に矯正金具を指で触れてみた時指ですら痛みを感じた。
これを痛みに敏感な口の中に何年も入れたままにするなんて
その方が恐ろしいことではないかと思えた。
一度舌癌を作っているだけに他の人より
出来やすい体質と警戒した方が良い気がする。

4番、6番の歯のギザギザ部分は既に
舌に炎症が出来るたびに何度か削ってもらって今に至っている。
そのおかげか術後よりも口内炎の頻度は減っているのは確か。
また頻発するようなことがあれば
歯を綺麗に丸めてもらいながら乗り切るのが一番なのかもしれない。

舌癌予防のための歯列矯正は行わず注意して過ごす。

・舌炎が何度もできるようなら問題の歯を丸めてもらう。

・上の前歯が唇の裏を傷つける問題は
 次に起こったら木管楽器演奏用のプロテクターを買って
 試してみよう。


≪完≫

 

 

最後に念のため。

舌を慢性的に傷つけていたと思われる歯を抜歯したことが

悪い選択だったと思っているわけではありません。

主治医と相談し自分で決めたことです。

抜かないでいたら今も舌を傷つ続けていた可能性もあります。

抜歯を迷ってる方が抜歯を選択した人のその後の話を知り

予め残った歯が動く可能性も考慮し起こりうるリスクも予見することで

より良い選択ができることを願い記事にしたものです。