幸せだ、実感できる。
「日本は豊かな国だ」
子供の頃からずっとそう言われてきた。
僕は大人達の言うその台詞の意味が理解できなかった。
犯罪、戦争、自然破壊・・・
いったい日本の何処が豊かだというのか、
僕はずっとわからなかった。
確かに物質的には豊かだ。
豊かというより、カラッポで愚かなガラクタとゴミの山であふれている。
これを「豊か」という言葉で表現するのはやっぱりおかしい。
でも今、初めて幸せを強く実感できた。
前々から部屋のCDや楽譜、楽器をながめる度にうれしくて、
物がたくさんある事に感謝は感じていたんだけれど。
今の幸せはもっと強い。
欲しいものをリストアップしよう、
家具、腕時計、服、新しい楽譜とCD
考えるだけで幸せになれるかも
僕には買う権利がある。
僕にはお金を稼ぐ権利がある。
ママからおこずかいがもらえた。
街には物を売っているお店がある。
それらを禁止する法律はない。
ガラクタはもうイヤだ、
素敵なものを買わなきゃお金がもったいない。
僕はまだ学生で、
色んなお金は父上殿が稼いだお金ではらってもらっている。
食費も学費も全部、子供の頃からずっと
すごいよパパ・・・
この年になってやっとそのありがたみがわかった。
なんてすごいことだ、すご過ぎる・・・。
こんな恵まれているのに実感しないなんてもったいない。
最近、父上殿の姿をみかける度に、頭が下がる想いだ。
同時に家を支えてくれた母にも、
いやいや面と向かってありがとうなんて言わないよ、
恥ずかしいもん、残念ながらそんな柄の家じゃないのよ。
「ありがとう」という言葉は親から教わったものじゃないから。
日常は次々と起こる深刻な問題に追われて、感謝しているひまがない。
僕はボーっと幸せを謳うよりも、
惨劇の中で叫ぶ人の声が聞こえる方に行って、
人間達の身に起こっている問題に目を向けたい。
けれども、与えられている物に感謝もしてたい。
それもやっぱり大事なことだから。