けっきょく、発熱と気圧変化による頭痛が限界となり、
山頂の山小屋で布団を借りて休憩。
下山はしっかりと睡眠をとったあとの午後になりました。
・・・山頂に至るまでの道のりは、思っていたよりもぜんぜん大変で。
途中で予想外の暴風雨に見舞われ、
必死に岩にしがみついて、一歩、一歩・・・。
ただ目の前のその一歩に集中することで、
最後のほうは前へ、上へ、と進んだ。
昨年の9月といえば、入院の3ヶ月前。病状の進行からして、
すでにこの登山のときには肺に大きな腫瘍を患っていたことになる。
途中の発熱や頭痛、息苦しさの多くは、きっとそれが原因だったのだろう。
でも、何故あのときにどうしても僕は富士山へと向かったのか??
それについては何度も自問した。
いったい、どんなメッセージがそこにあったのだろうかと。
たぶん、きっと――。
これから僕が乗り越えなくてはならない険しい道のり、
がんと向き合う――そのことを事前に伝えたかったのではないかと
思えてならない。
先日、近所を散歩している途中――何度も何度もうずくまって、
休んで、息を整えて、また歩いて、やっとの思いで帰宅しながらそんなことを思った。
思い出したのだ――ちょうど1年前。僕は富士の山頂付近で、同じような苦しみを味わい、
普段ならなんてことのない一歩一歩を、必死の思いで歩んでいた日のことを。
目の前の一歩一歩を。
一日一日を、一生懸命に。
その先には必ず素晴らしいご来光があることを、願う。
2007.9.16(SUN) AM 5:35 富士山9合目にて