まだ私が保育士になる前、
保育園実習で3歳児クラスに入った時のこと。

実習生のお姉さんと言うのは子ども達からは大人気で、私も漏れなく子ども達に囲まれていました。

その時はお絵描きがクラスのブームで
絵が得意だと子ども達から
「あれかいて!これかいて!」とリクエストが止まりませんでした。

その中にMちゃんと言う子もいました。 
Mちゃんは小さな声で「せんせ、これ描いて?」と。

私は猛烈リクエストの中みんなに「うんうんわかったよーびっくりまっててね爆笑ルンルン」と軽い口約束をしながら時間ギリギリまでそんなことをしていた気がします。

お昼の時間になりカレー
お昼寝の時間になり付けまつげ

他の子達は私とした約束などすっかり忘れ、別の遊びを楽しみ出していた夕方。

私の元にMちゃんがやってきて、
「せんせいきらい!」と言いました。
目には涙がたまっていて。
私はその言葉にショックで立ち尽くしちゃいました。

でもすぐにMちゃんにお絵描きする約束をしていたことを思い出し、自分の軽い口約束を信じて待っていてくれたその気持ちに申し訳なさでいっぱいになりました。



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「ママおいでー!!」

「まっててねー!これ終わったらいくね!」


仕事から帰ってきた短い時間の中で、
一緒に遊び、食事の準備、お風呂、寝かしつけ。

働くお母さんお父さんの夜は目が回る程の忙しさです。
あと少しで一区切りつくから…と、
その場限りの口約束をしちゃっていませんか?

だけど例えその場しのぎの小さな約束でも、子ども達は覚えていて本当にちゃんと待ってくれていたりしています。

だからこそ、

「待っててくれてありがとうね。」

保育士になってからもたくさんの約束を交わすけど、その一つひとつ真剣に想いを胸に止め、保育をしなければ…と思う良いキッカケとなった私の思い出でした。
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担当:加藤