ウィルコ・ジョンソン 切られ撃たれて血を流せ! | BABYDOLL LOUNGE

ウィルコ・ジョンソン 切られ撃たれて血を流せ!

さて、今日は久しぶりにこのコーナー
Wのアーティストでいってみよう~!

Wつったら誰…誰だ?誰にしようかな?
「誰」は英語で…って、もうベタすぎるので
あのグループは今回はスルーして
本日はこの人、ウィルコ・ジョンソンさん

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久しぶりに彼のプロフィールを見てみたら
1947年7月12日とあるから、何とロン・ウッドと
同年齢であった。彼が在籍したバンド、
ドクター・フィールグッドは
70年代のバンドという印象が強いせいか
どうも60’Sアーティストの一回り下の世代かと思っていたが
あまり変わらんのね~。

さて、ドクターフィールグッドといえばパブ・ロックの雄。
若き日に初めてパブ・ロックという言葉を聞いたとき、
パブという言葉にあまり馴染みがなかったせいか
うっかりフィリピン・パブを連想した。
ボロアパートの狭い一室に二段ベッドを置き、
6人くらいで共同生活するじゃぱゆきさんたち。
マルコス政権下のフィリピンはクーデターをきっかけに
危険な国認定され、観光客が激減してしまい、
そのしわ寄せでバブル期の日本には大量のフィリピン人ホステスが流入し
彼女らを働かせるフィリピンパブが人気を集めたわけだが
実態は典型的な植民地構造の一端が垣間見れる悲惨な被搾取者としての
滞在であり、人身売買、偽装結婚、不法滞在などの問題が表面化するが
中には日本での成功を夢見て来日し、
タレントとして成功するルビー・モレノのような例もあり・・・
・・・・って、おいっ!
話が激しく脱線しました(笑)
ちゃんと軌道に乗せましょうね。

そう、バブル期の日本で育つとこのような狭い印象を
持ってしまうわけだが、実際、パブ発祥の地である英国では
パブの語源はパブリック、つまり公共からきており、
簡易宿泊所や雑貨屋の機能も備えた場所で町中の社交場として
機能していたもので、それが1970代頃から人気が下降するかと思いきや
大手ビールメーカーの系列下になったことでパブは酒場の色合いが
濃くなり、顧客も多様化していったようだ。
その頃、ロックは高度な技術を要する演奏の複雑化と、
よりエンターテイメント性の強い演劇性を重視するグループが
主流となり、コンサートも大型化が進んでいったわけですが
一方ではキャパシティの小さなクラブで少人数に対してライブを行う
スタイルが親近感を呼び、R&R本来のシンプルでストレートな演奏を
身上とする連中が現れた始めていたのである。
そして彼らは「パブ・ロック」という総称で呼ばれることになる。

ドクター・フィールグッド、パイレーツ、
イアン・デューリー&ブロックヘッズ、
インメイツ(←初期ストーンズっぽい!)
などなど大好きなグループだらけなのだが、
中でもドクター・フィールグッドのアルバム
「DOWN BY THE JETTY」や「殺人病棟」
あたりは高校生の頃の自分のマストアイテムだった。
では、ガツーンと一発行きましょうか!

Dr Feelgood - She Does It Right (1975)


いやあ~久しぶりに聴いたけどクソかっこいいな~
わたしは高校生の頃、この曲をカセットテープに入れて
ウォークマンを聴きながら通学したわけですが、
電車に乗ってる途中、だんだんエキサイトしてきて
ボーカルのリー・ブリローさんのように拳を振り上げたり
したもんですから周囲の人に避けられていたかもしんないです(笑)
んで、電車から降りると今度は歩き方が
ギタリストのウィルコ・ジョンソンさんのように
カクカクと機械仕掛けのように前後に行ったり来たり
するばかりで、まったく道の上を進まず
なかなか学校に辿り着けない状態になったわけです(笑)
なんとか校門の前に着いても、またすぐにウィルコ病がはじまって
いつまでたってもカクカクするばかりで中に入れず、
今度は後ろ向きで歩き始め、学生服を着たわたしは
たまに開脚ジャンプしながら、
どんどん校門から遠ざかり小さくなっていくのでした(笑)

さて、ウィルコさんといえば何といってもあの特徴ありすぎの
ギターの弾き方ですね。ピックを使わず、素手でキャベツの千切りでも
できそうなくらい鋭く激しいカッティングは切れ味抜群。
実際、元々、彼の使用するテレキャスターは
ピックガードが白だったらしいですが
激しいカッティングのたびに指から流血し、赤く染まってしまうので
いっそのこと血が目立たないように赤のピックガードに
付け替えたなんて逸話もあるくらいですから
血気盛んな若者にも受け入れられたのでしょう。
まあ、一見、狂人に見えるウィルコさんですが
実は物静かで読書好きのインテリであるらしく、
その知識は学位を持つ英文学と英語学にとどまらず、
新約聖書、旧約聖書の隅々から(ウィルコは無神論者である)
シェイクスピア作品の暗唱、最も古い古典英語、ラテン語、政治、
各国の文化、仏教、ヒンドゥー教、と枚挙にいとまがないとのこと。
そんな男が・・・あのパフォーマンスってかっこいいぜ。
そして酒を飲めないのにパブ・ロックってのもなんかいい。
親日家でもう何度も来日してくれているのもいい。
魂の兄弟と言いたくなる鮎川誠さんとの交流もスバラしいし
鮎川さんのソロアルバムでの火花散るギターバトルも最高だった。
ルースターズやTMGEへの影響は語るまでもない。
ウィルコさんのマシンガンギターは日本でもあちこちで乱射され、
おれも犠牲者の一人になったわけですわ。
今度、自伝が出るようです。楽しみだな~
そして、10月来日決定!
もお~みんな、切られ撃たれて血を流せ!(笑)

Dr Feelgood - Riot in cell block no.9


ひゃ~、最高!

では(笑)