ものすごくお元気で、健康診断でも異常はないらしく、
薬なども全く服用してないらしい。
ただ、耳が非常に遠く、筆談でのコミュニケーションが必要。
いつも娘さんが連れて来られるんだが、
補聴器を嫌がって付けないとのこと。
ま、いつもと言っても今回で2回目なんだけど(苦笑)
初診では、下顎両側遊離端デンチャーが装着されていて、
左下の歯肉が痛むという主訴で来院。
遊離端・・・簡単に言うと奥歯が全くない状態
デンチャー・・・入れ歯のこと
診ると、左下の鈎歯を中心に残存歯のPがあり、
P急発で腫脹した歯肉にデンチャーが当たって痛かった模様。
ひとまず投薬し、デンチャーは出来るだけはずしてもらって、
うがいをよくするよう指示して終了。
そして今日が2度目の来院。
デンチャーを装着してもあまり痛くはなくなったが、
食事をすると痛むとのことだった。
腫れはほとんど引いており、
あとはデンチャーを削合して調整をしたところ、
痛みが全くなくなったようで、大変喜んでいただけた。
ここまでは普通の話。
このおじいちゃんは娘さんにデンチャーを触らせず、
症状も一切語ろうとしないとのことで、
状況があまりよくわからないんですと娘さんが嘆いていた(苦笑)
それもそのはず、どうやら歯医者さん嫌いみたいで、
ここにいてもすぐ大丈夫だと言い張る

しかしながら今回はホントに大丈夫になったせいか、
終わったあとにお礼を言いながら歩み寄ってきて、
「ちょっと触らせてください!」
と言って両手で握手をしてきたのだ!
ちょっと照れくさかったけど快く応じて、
おじいちゃんは満足げに帰られた。
今まで感謝されることはあっても、
こんな感じで感謝の気持ちを表現されたことは初めてで、
もっと頑張ろう!って思いがグッと強くなった瞬間だった。
近年はインプラントを始めとした先進医療が日進月歩の中、
こういった昔からほとんど変化のない治療でさえ、
必要としている人がたくさんいることを実感する。
もちろん、自分のキャパを広げていくことは大事なことだが、
その分だけ疎かにしていってたものがある自分は否めない。
何かそんな気持ちを思い返させてくれた出来事だった。
忘れがちなことをしっかり振り向かせてくれた気がしたよ。
良い勉強をさせていただきました。