まぁ、いろいろ起こっているので(※天声人語に言葉を借りれば「日本海域、波高し」)考えるのだが、平和ボケ代表世代として、第二次ベビーブーム、所謂「貧乏クジ世代(=高度成長期の後に生まれながらバブル崩壊後に就職活動する羽目になった)」として。
戦争だけは、ダメだ。
憲法云々を言おうが、自衛権をどう叫ぼうが、いわゆる戦争の根本、根底には
「いつも犠牲になり、苦しみ、嘆くのは庶民である」
という、この真理だけだ(自論)。
私は両親の「遅い子ども」のうち末子として生を受け、平和な日本に暮らしてきた。
私はその頃、
「日本は自国が『した』ことも、『された』ことも、知っている先人は全てを後世に伝えるべきだ」と若気の至りで力説した。
しかし、NHKの戦後を特集した番組で目にしたのである。
病床に就く、大陸に兵を進めた老人の姿を。
その方は、両手を併せてカメラに向かい、こう仰った。
「私たちがかの国でしたことを、伝えてくださるんですね。
私は、私と日本軍がしたことを、子どもにも孫にも話せない。
話したら、子どもも孫も私を悪魔だと思い、口を利いてくれなくなるだろうと怖いからです。
だから死ぬまで、誰にも話せないと思って生きてきた。
テレビで、伝えてくれるんですね。ありがとう。ありがとう。」
涙ながらに、その方は仰った。
その方の罪ではないと思う。
その方は命令に従い、国の方針に従い、任務を果たされたのだと思う。
でも、病床に就く今日に至るまで、60年余を、罪の意識に苛まれて過ごしてこられたのだ。
私は、「先進国」「世界NO.2」の日本に生まれてそれを当然のことと享受して生きてきた。
その私たちが
「知ってる人は後世に正しく伝えてくださいよ、全部教えてくださいよ」
と言うのは傲慢以外の何物でもないのではないか、と知った瞬間だった。
この幸せな、平和な日本にわずか半世紀も満たない年月を生きてきた私にも、決して思い出したくない過去、誰にも言えずに墓場に持っていこうと思うことはある。
ましてや、戦禍を過ごされた先人においておや、である。
だから、だからこそ。
ただ言えるのは。
戦争はいけない。
そこにどのような大義名分、国家の威信があろうとも、戦争はいけない。
私に今言えるのは、それだけだ。
あの日テレビで拝見した、このご老人の想像を絶するご心労と苦しみに報いる意味でも。
戦争だけは、だめなのだ。
日本の国土に、そして故郷の土を踏むことなく灼熱の雨林に、海の底に、極寒の地に、今も眠る多くの先人の方々へ。
私たちがあやまたずこの国を守って、未来へと継承できるよう、どうか護って下さい。
皆様の尊い犠牲を決して無駄にすることがないよう、どうか護って下さい。
私たちが、あなた方が望み、その命と希望と未来とを犠牲にしてくださった、その思い描いた日本を、間違わずに後世に継承できますように。