販売台数でインド最大手の自動車メーカー、マルチ・スズキ・インディア(532500.BY)は2日、販売台数が3カ月連続で減少したことを明らかにした。国内外市場の減速に加え、インドでのガソリン車需要の減少が響いた。
同社年度末にあたる3月の販売台数は前年同月比4.8%減の11万9937台。うちインド国内での販売分は4.3%減の10万7890台、輸出分は8.9%減の1万2047台だった。
3カ月連続減少の背景にはインド市場全体の減速がある。維持費が高い上、景気低迷による消費者心理の悪化が自動車購入の先延ばしにつながっている。
またディーゼル油とガソリンの価格差が大きく、多くがディーゼル車やスポーツタイプ多目的車(SUV)を選ぶ原因となっている。ディーゼル油はトラックやバスにも使用されるため連邦政府の補助があり、ニューデリー市内のガソリンスタンドでは、ディーゼル油の販売価格はガソリンより29%安い。
競合のタタ・モーターズ(NYSE:TTM)(500570.BY)が1日発表した3月の販売台数は28%減の7万2712台だった。このうち乗用車は68%減の1万2347台と急減した。
マヒンドラ&マヒンドラ(M&M)(500520.BY)やフランスのルノー(RNO.FR)インド部門の販売台数は、ディーゼル油を使用するSUVの需要増の恩恵を受けて増加した。
スズキ(7269.TO)傘下のマルチは、主力の小型車市場で韓国の現代自動車(005380.SE)や米フォード・モーター(NYSE:F)、ドイツのフォルクスワーゲン(VOW.XE)、トヨタ自動車 (NYSE:TM)(7203.TO)など、既存・新参メーカーとの競争にさらされている。
マルチはこうした競争への対応として、小型車「アルト」やハッチバック「リッツ」「エスティロ」、セダン「SX4」に新車種を追加した。昨年4月には「エルティガ」でSUV市場にも参入した。
13年3月期の販売台数は3.3%増の117万1434台。インドで4.4%増の105万1046台となる一方、輸出は5.5%減の12万0388台となった。主要輸出先の欧州の景気減速が響いた。また労働争議に伴い、インド北部にある2工場のうち1カ所で操業の一時停止を迫られた。
R・C・バルガバ会長は3月、14年3月期の販売台数は前年比5~7%増加する見通しだと語った。
