不撓不屈 | バベルの図書館

不撓不屈

不撓不屈〈上〉 (新潮文庫)/高杉 良


「信念の昭和人」


最近検察による証拠改ざん事件が世の中を騒がしていますが、権力との戦いというとまずこの本を思い出してしまいます。


自らの税制・会計解釈を「税とは、会計とは」という理念から実用に昇華させ、その筋金入りの碩学をもって、彼を貶めようとする国税の高級官僚をも論破した飯塚氏は、怨念ともいえる仕打ちで国家から訴訟を起こされます。


部下が捕まり、客も離れ、完全に追い詰められた状況でも決して信念を曲げず、最後は自分を支持する有力者たちも巻き込んで裁判に勝利する姿は、昭和世代(私の親の世代ですが)の気骨を十分に感じさせ 感動を与えてくれます。


その後も会計の大家として、実業家として日本の会計を草の根から底上げした氏の胆力・努力には感服せざるを得ません。


戦後の偉人というと松下やホンダの創業者が良く知られるところですが、あらゆるジャンルで日本を敗戦国から先進国へ押し上げた隠れた英雄がいることをこの本は教えてくれます。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★★★☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 14時間(上下)