これから正義の話をしよう | バベルの図書館

これから正義の話をしよう

これからの「正義」の話をしよう――いまを生き延びるための哲学/マイケル・サンデル


「力こそ正義」、この価値観に一石を投じるのか」


哲学書がベストセラーということで、哲学好きとして手に取ってみました。


「力こそ正義だ」という有名なアニメのセリフがありますが、歴史上もっともそれを体現した アメリカという国が、イラク・アフガン、サブプライム、新興国の台頭でその正義が揺らいできた今、 タイムリーにこの本が脚光をあびるという状況に興味を抱かざるを得ません。

ただアメリカだけでなく、道徳から正義を、共同体的意識から正義を導こうとするこの本が、功利主義・自由主義に染まりかけた世界の振り子をニュートラルに戻す一助になるのではないかという期待が持てる力作です。

「やばい経済学」と同様に身近にありうる事象から、正義や哲学に話題を展開するというのが 昨今の流行りなのかもしれませんが、内容は理解しやすく(後半はちょっと難解ですが)、また翻訳の良さもあいまって万人に受け入れられやすい 文章に仕上がっているのも良く売れた理由なのだと思います。

正義は価値観と近いものがあり、それは身近に様々な形で存在し、そしてうつろいやすくもあるものす。 また強大すぎる正義は悪と見分けがつかなくなったりもします。この本を読む事で、多くの人が 本当の正義とは何かを考えるきっかけになるのであれば、それはとても良い事だと思います。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 7時間