霧のむこうのふしぎな町 | バベルの図書館

霧のむこうのふしぎな町

霧のむこうのふしぎな町 (講談社青い鳥文庫 11-1)/柏葉 幸子

「ささやかで、手作り感のある日本風ファンタジー」


夏休みシーズンになるとこの本のことを思い出します。児童文学(小学校高学年向き?)ですが、とてもささやかで良質な想像力あふれるファンタジーの名作です。


主人公のリナは父親にいわれ、夏休みに見知らぬ町に一人旅にでかけます。目的の霧の町が見つからず、途方にくれていると、父に渡されたピエロの傘にいざなわれ、気がつくと霧の中を通って、ふしぎな小さな町にたどりつきます。


町は魔法使いの子孫が住み、たった6軒の建物からなります。リナはピコットばあさんという人の家に下宿をして、順番に町にあるお店で働きながら暮らします。次々と奇妙な事件に巻き込まれますが、リナは落ち込んだりしながらも勇気と機転をもってそれらを解決し、町の人達との信頼と友情を深めていきます。


この作品は少女の成長物語であり、子供時代の無邪気な想像力を代弁しており、軽快な面白さが文章の隅々までいきわたっています。それは誰でも小さい頃に幸せな空想をしたことがあると、作者の柏葉さんが心から信じて書いたからではないでしょうか。


千と千尋の神隠しの原案にもなったということで、一挙にメジャーな作品になった感もありますが、いくつになっても、たまにこの不思議な町をのぞいてみたいと思います。


難易度 ★☆☆☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★★☆☆☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 1時間