うたかたの日々 | バベルの図書館

うたかたの日々

うたかたの日々 (ハヤカワepi文庫)/ボリス ヴィアン


「ジャズとパリの共演が奏でる恋物語」


恋とジャズを信奉したフランス人ボリス・ヴィアンが、パリを舞台に描いた恋愛小説です。


1947年に出版された本ですが、今読んでもそのポップで透明な文体と独創的な想像力の描く世界観は、読み手を引きこんで止みません。


主人公コランとクロエが出会い恋に落ちる物語の前半は、少年少女の奇想天外で可愛らしい空想や、カクテルピアノのような遊び心のあるアイテムが次々とジャズの調べのようにテンポ良く繰り出され、世界の全てが無条件に二人を祝福している幸福なファンタジーのように展開していきます。


ですがクロエがこの小説の代名詞ともいえる心臓に睡蓮が生える病によって物語が一転すると、そこから恋愛小説史上で最もせつなく、そしてあまりにフランス的とも言える残酷な結末につながっていきます。


若い日の恋愛の光と影のコントラストを、これほど透明に、やさしく、それでいて突き刺さるように描き切った作品を、私は他に知りません。若い人に是非薦めたい一冊です。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★★★★☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 6時間