スモールワールド・ネットワーク | バベルの図書館

スモールワールド・ネットワーク

スモールワールド・ネットワーク―世界を知るための新科学的思考法/ダンカン ワッツ


「小さな世界の謎に挑む 」


世界中の任意の誰とでも6回知人をたどれば辿り着く、という有名な仮説(都市伝説?)があります。40年ほど前にミルグラムという社会学者が提唱してから、最近Microsoftの研究員によってインスタントメッセージを使った実証実験が行われるなど(結果は平均6.6人だったそうです)、古くて新しい設問として人々の好奇心を惹きつけ続けてきました。


人類は皆兄弟とか、友達の友達は皆友達といった有名な言葉もあるように、世界は無関係のようでいて何かしらの有意性をもって繋がっているのでは?ということを(ある程度)科学的に検証しようとする試みをネットワーク科学と呼びます。この本はそのネットワーク科学の基本を理解するための入門書といえる一冊です。


先ほどの”6次の法則”やハリウッド俳優は何人たどるとケビン・ベーコンに辿り着くかというベーコン指数のような冗談めいたものはさておき、送電線故障の伝播、金融危機の波及、SNSなど現実の社会はまさにネットワークによって形作られている事は間違いありません。ですが本書を読むと、そうした世界がそのタイトル通り、意外と小さな近いつながりによって成り立っているということを理解する事ができます。


ただ本書でも述べられているように、社会ネットワークはあまりに複雑で多様であるため、その全てをモデル化する事は永遠に不可能かもしれません。ですが”世界の繋がり”という身近で不思議な問題を科学のアプローチで触れる事は非常に有意義だと思います。


数学や情報科学の知識がないと若干難しい内容もありますが、ネット社会に生きる我々現代人には目を通してみる価値はあると思います。


難易度 ★★★★☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 6時間