ライ麦畑でつかまえて | バベルの図書館

ライ麦畑でつかまえて

ライ麦畑でつかまえて (白水Uブックス)/J.D.サリンジャー


キャッチャー・イン・ザ・ライ/J.D.サリンジャー



「反抗する魂の結晶 」

反抗期のアイコン、我らがホールデン少年の心の叫びを綴る青春小説のバイブルといえる一冊です。50年代に書かれた小説でありながら今なお読み継がれているのは青年の葛藤と自意識を不変的に表現しているからと言えるでしょう。


ニューヨークをさまようホールデンの大人に対する不信感と自身の無力さに対する焦燥は、発禁処分になるほどのスラングで彩られながら、なぜか気品すら感じてしまいます。自意識が芽生え、世の中が見えてくるようになれば、誰もが多かれ少なかれ一度は感じるであろう反抗性はこの小説の中で見事に結晶となっており、世界中の若者の心を強烈に揺さぶった事が当然の事として納得できます。


すっかり大人になった今読んでみても、こうした脆くも鋭利な感情が鈍った心を少し研ぎ澄ましてくれるような気分になれる作品です。


今回は名訳と呼ばれている野崎訳と村上春樹訳を載せてみました。賛否・好き嫌いは分かれますが、読み比べてみるとそれぞれ違ったホールデンに出会えると思います。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★★★☆☆
笑える度 ★★★☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 5時間