キャプテン | バベルの図書館

キャプテン

キャプテン (1) (集英社文庫―コミック版)/ちば あきお



「努力こそがドラマを生む 」


バンクーバー五輪が閉幕しましたが、こうした大きなスポーツイベントが終わるとなぜか思い出してしまうのが、この作品です。 古典の部類に入りますが、文庫版の後書きで酒見賢一氏が「努力を描ききった傑作」と贈ったように、ただひたむきに、ひたすら練習し続ける平凡な少年達の姿が強烈に心に響く野球漫画の傑作です。


この作品には今時の漫画のようなヒーローも、美少女も登場しません。根拠の無い万能感も、もちろん恋愛もありません。坊主頭の少年達が練習する姿が坦々と描かれ、試合よりも練習しているコマが多いのではと思えるほどひたすら徹底的に努力を描きます。


そして試合では通常勝てるはずの無いような強豪校を相手に、ねばり、食らいつき、全てのメンバーが犠牲の精神を発揮して奇跡を起こし、そして時に敗れます。ですが勝った姿も負けた涙も私達に同じ感動を与え、心からのエールを送る気持ちにさせてくれます。


オリンピックに出る選手立ちは、華やかで、才能もあり、墨谷二中のメンバー達とはまったく異なる境遇だったかもしれません。ただどちらも私達が遊んでいる時間に、ただひたすら同じ事に打ち込み、そして多くの競争に打ち勝って大舞台まで上りつめる姿に違いはありません。そして結果敗れる事もありますが、積み上げた努力の上でやり切ったその姿はいつも清々しいものです。


努力や根性は古臭いものかもしれません。また結果は大切かもしれません。ですが人を成長させ、他人に勇気を与える方法が何なのかを、この作品は教えてくれているように思います。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★★★★☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 1時間(一巻)