悲しみよこんにちは | バベルの図書館

悲しみよこんにちは

悲しみよこんにちは (新潮文庫)/フランソワーズ サガン

「サガンが綴る青春の衝動 」


若き天才女性作家と言われたサガンのデビュー作です。ポール・エリュアールの詩から引用した印象的なタイトルだけでも心を揺さぶられる青春小説の傑作と言えると思います。


大人になろうとする少女の鋭い感性とはかない心情を激しくも繊細に綴ったこの作品はあまりにフランス文学的でありながら、時代も国境も超えて青春の輝きと残酷さを讃えていると思います。


自身の恋に対する飛ぶような感情に身をまかせながら、抑えきれない父の恋人に対する葛藤がせつない結末へと繋がっていく展開は、詩的な文章と相まって、南フランスの穏やかな風景と少女の情熱をありありと映し出します。


サガン本人の死はとてもせつなく悲しい物でしたが、この作品の現す彼女の透明で敏感な感性を思うとそうした死が運命づけられ、相応しいものにすら思えてくる一冊です。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★★★☆☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 4時間