生命とは何か | バベルの図書館

生命とは何か

生命とは何か―物理的にみた生細胞 (岩波文庫)/シュレーディンガー


「知の冒険」



本書は波動方程式や猫のパラドックスで有名な天才物理学者エルヴィン・シュレーディンガーの公演をまとめた知の結晶です。


物理学が生命活動について何も述べていないことに疑問をもったシュレーディンガーは、その超絶的な知能をもって、生命のエントロピー活動の根源が量子力学に結びつくのでは、という仮説を展開します。 量子はエネルギー状態も運動法則も我々が目で見、生きている世界と趣を異にします。ですが人に限らず全ての生命体は結局量子の集まりで出来ているわけです。これは世界最大級のミステリーの一つです。


このミステリーに心を動かされた偉大なる天才は、物理法則に逆らいながら種を保とうとする生命という存在が結局は物理法則によって説明可能である(はずだ)という卓越した洞察力・想像力を披露します。まるで将来のDNA螺旋構造の発見や分子生物学の勃興を予言していたかのようです。


1944年に出版された本ですが、科学を志す人のみならず、知の冒険を楽しみたいと思う人は是非一度読むべき一冊だと思います。


難易度 ★★★★★
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 8時間