ウォール街のランダム・ウォーカー | バベルの図書館

ウォール街のランダム・ウォーカー

ウォール街のランダム・ウォーカー /バートン マルキール


「賢者の知恵は言う、欲深きものは滅びると」


金融市場というのは不思議なもので、人間が作ったにも関わらず完全にコントロールする事ができません。古くはチューリップバブルから最近のサブプライムローンまで、市場が無限に拡大するという錯覚から奈落に突き落とされるという事態が歴史上何度も繰り返されています。


世界中の投資銀行は、多くの優秀な頭脳と膨大なお金をかけて、市場を、リスクをコントールしようと努力してきましたが、それは悉く跳ね返されてきました。つまり金融市場をコントロールできないということは、人の欲望を完全にコントロールする術を人は持たないということなのかもしれません。


今回紹介するのは、そうした市場に立ち向かうための賢者の知恵と言える一冊です。著者は市場効率化仮説に基づき、インデックスファンドに対するパッシブ運用こそが市場に勝つ唯一の方法だと説きます。そして短期的に売買を繰り返す”ランダム・ウォーカー”は一定期間勝利を得る可能性はあるが、長期的に勝ち続ける事はできないと喝破します。


恐らくこの本は正しいのでしょう。では何故世界中の多くの人はわかっていながらそうしないのでしょうか? そこには「自分だけは違う」という根拠の無い楽観が働いたり、長期投資は退屈なため短期の”ゲーム”を楽しみたいという人の業があるように思います。


最近低迷してきた市場がまた動き始めました。なりを潜めていた”ランダム・ウォーカー”達がまた市場に吸い込まれていく姿が見えるようです。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★☆☆☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 5時間