フェルマーの最終定理 ピタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで | バベルの図書館

フェルマーの最終定理 ピタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで

フェルマーの最終定理―ピュタゴラスに始まり、ワイルズが証明するまで/サイモン シン


「 世界の真理に挑んだ静かな物語」

数学というのは世界の真理の一部を、もっとも簡潔にエレガントに表現しようとする学問です。その歴史は古代ギリシャはおろか、エジプト文明やそれ以前にも遡り人類が文明を持つようになった時代から人々の好奇心を掻き立ててきました。


幾多の天才達に彩られた数学の歴史ですが、その中にはヒルベルトの23の問題やミレニアム懸賞問題を始めとする未解決問題と呼ばれるものがあります。


この本はそうした難問の一つ、「フェルマーの最終定理」の解決という歴史的事件と、それに挑んできた数学者達の静かな戦いのドラマです。


17世紀のフランスの数学者フェルマーが本の余白に記載した一言が、多くの数学者達を惹きつけ・惑わし、3世紀にわたり未解決のまま数学界の中で君臨してきました。


それを最終的に証明したのは英国の数学者アンドリュー・ワイルズという人ですが、彼が他の多くの人の業績(その中でももっとも重要な部分を日本の数学者が提示していた事には素直に驚きました)を駆使し、長い間他人に一言も漏らさず一人自分の頭脳・想像力と戦い続け、最終的に偉大な証明を得るストーリーは読みながら静かな興奮を覚えずには居られません。


著者のサイモン・シンはこの本で一躍サイエンスライターの第一線に躍り出ましたが、その後もいくつもの秀作を世に送り出しています。別の機会にそれらも紹介したいと思います。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★★☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 7時間