1Q84 | バベルの図書館

1Q84

1Q84 BOOK 1/村上 春樹


「 村上春樹はやさしくなった」

2009年読んだ本ランキングが出ましたが、やはり一位はこの作品でした。 数えきれないほどの賞賛・批判がでているため、あえて言及するのは止めておいたのですが昨年のベストセラー第一位ということで、簡単にコメントしておこうと思いました。


私がこの作品を読んで感じたことは、「村上春樹はやさしくなった」という事です。 これまでの村上作品には、何か救いや希望の無さ、冷たい風にさらわれたような時が止まってしまったようなそういう印象を感じていました。


ですがこの作品は違っていました。二人の主人公にはある種の救いと希望が用意されています。ストーリとしても分かりやすく読者が置いていかれるような感覚も薄く、文学的な普遍性だけでなく、エンターテイメントとしても十分であり双方のバランスが高い次元で達成されていると感じました。


個人とシステム、私と世界というこれまでの小説と同じテーマ・世界観を残しつつ、読者と一緒に新たなステージに進みたいとう氏の純粋な野心を感じさせる一冊です。


総合小説を書くことが氏の夢のようですが、年を重ねても衰える事無く、さらに小説という世界の高みに近づく現代最高の語り部が、将来どのような総合小説を残すのか、今から楽しみでなりません。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★★☆☆☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 4時間(一巻)