燃えよ剣 | バベルの図書館

燃えよ剣

司馬 遼太郎
燃えよ剣 (上巻)

「物語になるために存在したかのような究極の集団」


以前にも書いたのですが、香港はDVDがとても安いです。日本のドラマなどが全話まとめて2000円程度で売っていたりするため、違法コピーであると薄々感じながらもやはり買ってしまいます。


先日NHK大河ドラマの「新撰組」全話セットを発見し、一気に見てしまいました。実はこのドラマ私がシンガポール時代に16話くらいまで毎週かかさず見ていた番組で、続きが気になっていたものです。今回念願かなって最後まで見る事ができましたが、やはり男率の高いドラマはいいです。オダギリジョー、かっこよすぎます。「切腹っていいかも」などと錯覚してしまう程の死に様の良さにも心打たれました。


というわけで今回は新撰組にちなんで何か一冊、ということで司馬さんの燃えよ剣を紹介する事にしました。


司馬さんというのはつくづく行間を読ませるのがうまい作家だと思います。文章それ自体は淡々としているのですが、行間のリズムが読者の想像力を刺激して、読者の中で物語が自然と大きく深く新鮮になっていく。そしてこの「司馬効果」とも呼べる作用は歴史小説というジャンルでこそ最も発揮されるのだと思います。


激動の時代、短い人生、鉄の法度、戦闘集団、立身出世、時代への抵抗、そして悲劇的結末。


シェークスピアやワーグナーでも惹かれそうな劇的要素のフルコースを実際の人生で貫いた新撰組。この物語になるために存在したかのような究極の集団を、司馬さんの透徹した歴史観と司馬効果で凝縮させたこの作品に対して、読まない理由を見つけることは私にはできそうもありません。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★★★★☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 10時間(上下)