最後の錬金術師カリオストロ伯爵 | バベルの図書館

最後の錬金術師カリオストロ伯爵

イアン マカルマン, Iain McCalman, 藤田 真利子
最後の錬金術師カリオストロ伯爵

「嘘をつき通して伝説になるという事」


はったりも堂々と言われると何故か説得力を持ってしまうものです。


この作品はヨーロッパ中を震撼させた稀代の詐欺師にして錬金術師、カリオストロ伯爵の人生を綴った叙事詩と言える一冊です。


シチリアの貧しい不良だった一介の男が、いかさまの錬金術とフリーメイソンという道具を用いて当時最高の権力者や教養人を手玉に取っていく様は圧巻というしかありません。


最後は獄中にて無残に死んでいきますが、女帝エカテリーナを激怒させ、マリーアントワネットを窮地に陥らせ、モーツアルトの作品にも登場する事になったこの人物のスケール感の前には、最近はびこる中途半端な山師など全て小物に見えてしまいます。


嘘もつき通せば真実になるといいます。ですがそれを行うには並外れた胆力があるか、もしくは心が壊れているかのどちらかです。伯爵がどちらであったかは知る由もありませんが、時折こうした人が現れる事で世界は面白くなっていくのかな、と考えさせられました。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 7時間