経営者の条件 | バベルの図書館

経営者の条件

P・F. ドラッカー, Peter F. Drucker, 上田 惇生
新訳 経営者の条件


「巨星堕つ。全ての人に経営を意識させた記念碑的一冊」


経営学の祖ともいわれるピータードラッガー氏が先日永眠されました。


ドラッガー以前の経営は、経営者個人のひらめきや行動力に依存するというものであり、体系化された考えというものはなかったように思います。それを整理し、誰にでもわかるような言葉で世に広めた功績は計り知れません。そしてその最大の特徴は、経営は経営者だけでなく、そこにかかわる全ての人の想像力を結集する術であるという、人間中心の考えに軸を置いた事だと思います。


経営というのは感覚的な部分と科学的な部分が合間見えた非常に人間的な営みです。そして実践する事が大前提となります。ドラッガーは経営者だけでなく、全ての企業にかかわる人間に想像力を発揮し、経営を意識してプロの仕事を行う事を説きました。この経営の一般化こそ彼の最大の功績だと思います。


今回紹介しているのは彼の古典三部作の一つと言われている物です。現在多くの経営・マネジメント指南の書物、そしてそれを説くコンサルタントが溢れていますがそこで語られていることの根底は氏が数十年前にまとめたものであり、事例や登場する技術、用語を変えるだけで現代でも十分通用するものです。(目次を見ると今の経営書と殆ど章立てが違わないような気さえします)。


彼の人間中心、哲学的志向の基礎は生まれ育ったウィーンにあると言われています。ハプスブルグ家の栄光の軌跡が今も残るこの町は音楽に溢れ、いまでも独特の時間の流れを持つ不思議な力を持った町です。そこで育まれた思索のバックボーンが、近未来の姿を予想する事さえ可能にしたのだと思います。


晩年はあまり評価されていなかったようにも思いますが、偉大な古典として読み告がれるべき人物だと思います。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★☆☆☆
泣ける度 ★★☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 8時間