悪魔の辞典 | バベルの図書館

悪魔の辞典

アンブローズ ビアス, 奥田 俊介, Ambrose Bierce
悪魔の辞典

「健全な魂など味気ない、と悪魔はファウストは言った」


前回紹介したおバカさんの純粋さと比較すると、まさに対極に位置する辛辣さ、ひねくれっぷりを発揮しているのがこの悪魔の辞典です。


新聞記者だったビアスが記した主に政治や日常生活に関わる言葉を風刺たっぷりに解説した辞典ですが、その内容は世の中で価値や権威があると思われる物をことごとく皮肉り、世の中をまっすぐに捉えるなど子供の戯言かと思わせるようなインパクトがあります。


読み勧めていくうちに不適な笑みがこぼれ、タイトル宜しく魂が悪魔化していくような、他人を平気であざ笑えるような奇妙な魅惑に取り付かれていく危険な書物です。


周囲の人に同じ具合で接すれば、人でなしとか緑の血が流れているという評判を得ること請け合いですが、こうした風刺や皮肉の精神というのはうまく使えば逆に人間味が増してみえるという非常に微妙な代物であるのも事実です。


使うには高いセンスが要求され、失敗した時のリスクも大きいですが、うまくユーモアを織り交ぜてクールな大人を演出できれば人生もよりいっそう面白くなるのではと思わされました。


尚Webで悪魔の辞典を検索すると○○の悪魔の辞典(食べ物の悪魔の辞典、ガンダム悪魔の辞典等)亜流を数多く見つける事ができます。中には秀逸なものもありますので、本書を読んだ後に探索してみるのもまた面白いかと思います。


難易度 ★★★☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★★★☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 6時間