長いお別れ | バベルの図書館

長いお別れ

レイモンド・チャンドラー, 清水 俊二
長いお別れ

「フィリップマーロウのような男を前にした時、僕は何を語れるだろう」



今回はマーロウシリーズ最高傑作の呼び声高いチャンドラーの長いお別れです。ハードボイルドの教科書であり、推理小説の傑作でもあり、マーロウを以降の映画や小説における「強い男」の象徴と成さしめたこの作品は、一時代を熱くしただけでなく、これからも読みつがれていく作品だと思います。


ハードボイルドは言ってしまえば「やせ我慢」と言えなくもないのですが、そこに色気と機知のセンスがなければ成立しません。そしてその美学を成立させるため、自分を傷つけることすら厭わない姿勢が必要なのだと思います。


決してマーロウは完璧な男ではありません。殴られて連れて行かれることもあるし、美人に陥落しかかる事もあります。ですが必ず立ち上がり皮肉たっぷりの台詞を言いながら戻ってくる。そうした折れない魂は同じ男として心震えるものがあります。


欲望を解放する事が是とされるような昨今ですが、もう少しハードボイルドのような姿勢が見直されてもいいのではと思いました。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★★☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 7時間