ガリバー旅行記 | バベルの図書館

ガリバー旅行記

ジョナサン=スウィフト, 加藤 光也, 金 斗鉉, Jonathan Swift
ガリバー旅行記

スウィフト, 中野 好夫
ガリヴァ旅行記

「胸躍る冒険記と社会憎悪の結晶という二面性」


宮崎監督関連の最終回はスウィフトのガリバー旅行記を紹介します。ガリバー旅行記には原作とそれをダイジェスト版にした子供向けの冒険物という2種類が存在し、後者が世の中に広く知れ渡っています。


原作は小人の国、巨人の国、空を飛ぶ島の国(ラピュタ)と馬人間の支配する国の4部構成ですが、子供向けでは最初の2つだけをとりあげています。上記の表紙絵付がダイジェスト版で、下が原作です。


私も小さい頃にガリバー旅行記の絵本を読んで、小人や巨人と丁々発止しながら故郷へ帰るガリバーの冒険に胸を躍らせたものです。ですが後に宮崎監督の天空の城ラピュタの空飛ぶ島という発想がガリバー旅行記の原作をモチーフにしていると聞き原作に挑戦してみました。


小人と巨人の国まではそれほど違和感を感じなかったのですが、ラピュタの章では科学の力で空まで飛んだは良いが、いつ落ちるかと怯えるラピュタ人達を冷たい視線で描写し、馬人間の国にいたっては、知性に優れた馬人間に普通の人間が奴隷のように扱われるという、社会風刺と人間憎悪の結晶ともいえるブラックな内容で、楽しい冒険旅行などという先入観はあっけなく吹き飛ばされてしまいました。


スウィフトはイギリス人ですが、批判の対象となったイギリス社会がその本を子供向けとして世界に広めていったのは英国紳士流のジョークなのではと思ってしまうほど二つの顔を持った作品です。


※原作についての評価です。

難易度 ★★★★☆
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★★☆☆☆
怖い度 ★★☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 8時間