アウトサイダー | バベルの図書館

アウトサイダー

コリン ウィルソン, 中村 保男
アウトサイダー

「凡人でも、天才でも、まして中立の神でもない。アウトサイダーという生き方」



小泉自民党が選挙で圧勝しました。

賛否はあるかと思いますが、改革するという実行力(刺客も含め)や既成の理屈に囚われないというイメージが国民にわかりやすかったというのが大方の理由のようです。


そこで思い出したのが、このアウトサイダーという本です。図書館勤めの著者が25歳の時に発表した処女作にて、世界中の若者にセンセーションを巻き起こした作品です。彼の定義するアウトサイダーとは「社会秩序の内にあることを自らの意思で拒否する者」という事です。決して犯罪者という事ではなく、自由で強靭な心を持ち、それを社会の価値観に侵される事なく貫いた人という意味だと思います。


ヘミングウェイやバーナード・ショウ、カフカといった文学史上の偉人を取り上げながら、そのアウトサイダー的生き様を知的に青白い炎のような熱さで展開するこの作品は、普段漫然としていた人の心を突き動かすスリルと躍動感に溢れています。


誰にでも考え方やこう在りたいという気持ちはあるものです。ですが社会生活を営みながらもそれを曲げずに貫き通すという事の労力と壁の高さに多くの人はある種のあきらめを感じてしまうのが普通です。そうした私のような凡人にとって、アウトサイダーという生き方は心に仕舞いこんでいた何かに共鳴してくるような気がします。


社会秩序の頂点ともいえる首相はその範疇には入らないかと思いますし、そもそもそんなに崇高な人かどうかは分かりませんが、少なくともアウトサイダー的な印象をうまく与える事が出来た事が今回の結果につながったのではと思いました。


ちなみにこの本、難易度は相当高いです。何度か読み返す必要があるかと思います。


難易度 ★★★★★
インパクト ★★★★☆
泣ける度 ★☆☆☆☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★★☆
推定読了時間 8時間