博士の愛した数式 | バベルの図書館

博士の愛した数式

小川 洋子
博士の愛した数式

「小川洋子に舞い降りたやさしさの黄金率」


恩田さんをとりあげたので、第一回の本屋大賞を受賞した小川洋子さんもとりあげねば、ということで今回の投稿です。


私は理系でしかも数学系だったため、数式のもつ美しさというものについては普通の人より理解しているつもりでした。この本の中に登場する完全数やオイラーの定理をはじめ黄金率やフィボナッチ数列といったものに、神秘性と美しさを感じて一人悦に入ったりしたものです。


ですが数学と関係のない人からみれば、それはただの記号の羅列であり、なんら特別な意味をもたないものである事も事実です。よって自分のこの感動はきっと同じ数学系の人間にしか理解されないのだろうなぁと残念に思っていたものです。


この本は私のそうした思いに対して一つの答えを示してくれた作品です。


数式のもつ美しさと普遍性が、静かに他者へのいたわりを持って日常を生きることと見事に調和する事。そして完全数と江夏に象徴される「強く生きよ」という祈り。数学と文学という一見相容れない物の間に黄金率を見出した小川洋子さんの奇跡に脱帽です。


難易度 ★★☆☆☆
インパクト ★★★☆☆
泣ける度 ★★★★☆
笑える度 ★☆☆☆☆
怖い度 ★☆☆☆☆
考えさせられる度 ★★★☆☆
推定読了時間 4時間