高校三年生に英語を教える。二年目だ。大学進学準備のため年初からもう授業はなかった。この3か月、無為徒食。ひたすら体重を落とすことだけに専念。その単純極まる毎日が最近は心地よい。その唯一の原動力は、体重を落として糖尿からの脱却の目的を遂げるための、Youtube覗きだった。40分くらいの長さの動画がこれでもかと繰り返しアメリカの女の貪欲さ淫乱さを描く。これが衝撃的で、3か月毎日聞いていても飽きない。テレビ画面はほぼ何も描かれない。全部AIが作る。脚本も音声も何もかも。時々コンピュウターが読み間違えたり読めなかったりする愛嬌あるエラーもスパイスになる。ワンパターンの内容でも、実に色どりは多彩で、浮気までに、女は男に飽きてくる。結婚5年から10年、子供も複数いるバージョンもある。冷たくなったし、振り向いてくれないし、話し相手になってくれないし、仕事ばかりしているし、と女は不倫発覚後男を非難する。自分は被害者だと主張する。男が悪いのだと。不倫は2年くらい続くとこもある。男が築くのもワンパターンで、携帯を表にしておかない、かかってくると浴室に隠れて話す、夜遅く帰ることが週に何回もある、下着やドレスを新調し、新しい香水を買い、ほかの男のコロンの匂いをつけたまま夜中に帰る。同じことが繰り返される。それでも、聞いていると、衝撃が走る。GPTに、女がみなバカみたいだけど、と聞くと、AIさん曰く、女が裏切らないとドラマにならない、神としての男が最後になって、財産も奪い、社会的名声も破壊されて泣く女、だから見世物になる。アメリカ通俗的宗教観が基底にあるという。なるほど。さ、今日もこれからジムにいく、医者に行くという言葉を使う。