日本で急増するネット自殺、2年間で3倍に
6人の日本人が10日(日本時間)、車内で窒息死しているのが見つかった。
発見当時もまだ、傍らに置かれた練炭から煙が上がっていた。
インターネットを通じた集団自殺が増える中、また新たな犠牲者が出たようだ。
警察は、死亡した20代の男性5人と女性1人がオンラインで知り合った後、9日夜に自殺を図ったとみ
ている。
現場は東京から約80キロメートル北西の埼玉県秩父市の林道で、車の窓はテープで目張りがされて
いた。
ネットを通じた集団自殺は、少なくとも1990年代後半から発生している。
グアムからオランダまで、ネット自殺の発生は世界各地から報告されているが、自殺率が世界の先進工
業国の中で最も高い日本において、当局は最近の件数の増加を懸念している。
警察庁が先月発表したところによれば、2005年にはネットを通じた自殺が34件発生し、
死者は91人に達した。
2004年は19件で55人だった。2005年の件数は、同庁が記録をとり始めた2003年に比べて3倍に増え
ている。
青森県でも8日、20~30代の男性1人と女性2人が一緒に死亡しているのが見つかった。この3人も、
車内で練炭の煙を吸って死亡しており、警察は集団自殺とみている。
「落ち込んだ若者とインターネットは、極めて危険な組み合わせだ」と、新潟青陵大学の碓井真史教授
(心理学)は指摘する。
「自殺を試みようとするが、実行には至らない若者が大勢いる。
しかし、他人同士がインターネットの自殺サイトで知り合い、誰かか具体的な自殺方法を提案する……
これが、最近の集団自殺を誘発する危険な原動力になっている」と碓井教授は説明する。
自殺サイトは真っ黒な背景を使った不気味なデザインのものが多く、サイトにはチャットルームが
設置されており、そこでは死への願望の言葉が飛び交い、盛んに最良の自殺方法についての意見交換
が行なわれている。
ほとんどの自殺サイトは、主に若者が常連のようで、なかには10代前半の訪問者もいる。
皆がいじめや失恋、身内からの虐待、家族との断絶といった悩みを抱えている。
碓井教授は次のように述べている。「日本が貧しかったころは、必要に迫られて、例えば入浴や食事
など、家族で一緒に行動することが多かった。
コミュニティーは今よりもずっと重要で、とりわけ田舎ではそうだった。
しかし、現在はいよいよ個人の世の中になり、人々をより孤立させ、自殺を考えるような状況を招いた」
日本の文化において、自殺は長年にわたって尊い行動とされてきた。
封建時代の日本では、武士の倫理に照らして切腹が名誉なことと見なされていたのだ。
現代でも、映画やホームコメディーは、自ら命を絶つ登場人物であふれている。
政治家たちはネット上の自殺サイトの規制や閉鎖を提案してきた。警察は昨年10月、
インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)の協力を得て、取り締まりに乗り出した。
それ以降、最前線に立って活動した結果、12件に介入し、14人を自殺から救ったと、
警察庁は先月発表している。
しかし専門家によると、そうした取り締まりは、自殺志望者を海外のプロバイダーへと移行させるに
すぎないという。
海外のプロバイダーの規制はほぼ不可能だ。一方で、
自殺サイトは自殺を望む人々同士で悩みを打ち明ける場となっており、自殺を助長するよりも防止する
効果のほうが高いという意見もある。
日本では、自殺者全体の中でネット関連の自殺者が占める割合は低い。
2004年には、全国で3万2000人が自殺しており、
その大部分は金銭問題を抱える高齢者だった。
日本の最近の景気回復に伴って自殺者も減るはずだが、ネットに関連した若者の自殺はそれとはまた別問題だと、
碓井教授は指摘する。 「あいにく、ウェブを利用する若者が増えれば増えるほど、自殺も増えることにな
る」と碓井教授は言う。「インターネットは日本に多くの利便性をもたらしたが、同時に多くの災難ももたらし
た」 [日本語版:山本陽一/多々良和臣] 日本語版関連記事 ・豪政府、自殺関連サイトに4600万円相当の
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