ライブドアは取引成立せず・関連各社も売り気配続く
17日の東京株式市場ではライブドアの株式が朝方から売り気配が続き、前場は取引が成立しなかった。前場の取引終了直前では値幅制限の下限(ストップ安)にあたる前日比100円安の596円の気配値で、2億6500万株超の売り注文に対し、買いは300万株に届かなかった。東京地検特捜部と証券取引等監視委員会が16日、証券取引法違反(偽計取引、風説の流布)の疑いで、ライブドア本社や堀江貴文社長の自宅など関連先を強制捜査したことが嫌気されている。 ライブドアの関連会社は各社とも売り注文が膨らんだ。ライブMのほか、MEXタボリナクス(ヘラクレス)やLDオート(東証2部)、ダイナシティ(ジャスダック)、セシール(東証1部)がそれぞれストップ安売り気配のまま、午前中の取引は成立していない
堀江貴文社長(33)率いるライブドアに、ついに捜査のメスが入った。東京地検特捜部は16日夜、証券取引法違反容疑で同社や関係先を強制捜査した。04年、関連会社が虚偽の買収発表をしたり、決算で売上高などの水増し発表をした疑いが持たれている。市場ルールの穴をついて派手な買収を繰り返す“錬金術”で、わずか10年で時価総額7000億円超の会社を作った堀江氏が、今度は市場のルールで裁かれる番になった。特捜部では堀江氏の事情聴取も視野に入れ、全容解明を目指す。
午後6時半すぎ、東京地検特捜部の係官約15人が東京・六本木ヒルズ森タワーに正面玄関から入り、38階のライブドアで家宅捜索を開始した。報道陣のフラッシュが一斉にたかれ、ヒルズ族が集うタワーは異様な雰囲気に包まれた。特捜部はほぼ同時に、近くにある堀江氏の自宅高層マンション「ヒルズレジデンス」にも家宅捜索に入った。
調べによると、ライブドアが約75%の株を持つ「バリュークリックジャパン(現ライブドアマーケティング)」が04年10月25日、マネー情報誌などの出版社マネーライフ社を株式交換により買収したと発表したが、実際は約4カ月前の同年6月には、マネーライフ社はライブドアの実質的な関係会社になっており、この株式交換が証券取引法違反の偽計取引にあたる、不正な取引だった疑いがあるという。
またバリュー社は同年11月に発表した決算短信で、売上高や経常利益などを水増しして経営状態が実際より良いように見せ、同社の株価をつり上げようとした同法違反(風説の流布)の疑いも持たれている。バリュー社の株価は、04年10月25日の終値17万9000円だったが、翌11月上旬には20万円台に上昇。11月12日の水増し疑惑決算発表を経て、同15日には45万円を付ける急騰をみせた。その後、同社株は100分割され、暴騰した。
堀江氏にとって捜査は寝耳に水だったようでこの日朝民放テレビの取材に対し「一番いいのは消費税を上げること」などと税制論について語ったり、自身のブログに「クリームスープを飲んでみました」とのんきに書いていた。捜査情報が流れた夕方にも、一部の電話取材に対し「特に思い当たる節はないですね。ハハハ」と余裕をみせたが、その後再度の電話には「分からないですね。(風説の流布は)全然身に覚えがない。ないですって ! そろそろいいですか」と一方的に電話を切るなど、いら立ちを隠せない様子だった。捜索の係官に「黙秘権はあるの?」と薄笑いを浮かべていたとの情報もある。
堀江氏は96年、前身の企業を設立。株式100分割や派手な買収を繰り返し、わずか約10年で時価総額7000億円超まで成長させた。同時に、衆院選出馬など話題を打ち上げて知名度を急上昇させたが、その手法には市場から反発も強かった。
特捜部では16日、ライブドアマーケティング代表取締役の自宅も捜索。関係先十数カ所から買収関連資料やパソコンなどを押収、メールの内容などを分析する方針だ。今後の焦点は、グループ最高責任者の堀江氏の関与。日ごろ「失敗してもゼロになるだけ」と豪語。昨年12月の株主総会で「近い将来、時価総額世界一になる」と宣言したばかりの堀江氏にとって、今回の事態も「想定内」だったのか。
1日で1500億円失う ライブドア時価総額
東京証券取引所マザーズ市場などの17日午後の取引で、ライブドアグループ企業の株が、証券取引法違反事件の影響を嫌気した大量の売り注文を浴びて軒並みストップ安となり、発行済み株式総数に株価を乗じた「時価総額」は、グループの上場7社の単純合計で約1兆200億円から約8700億円となり、約1500億円が1日で吹き飛んだ。
東京地検の捜査の進展によっては、ライブドア銘柄は18日以降も、一段安となる恐れもある。堀江貴文社長の人気もあり高株価を「演出」、有利な資金調達やM&A(企業の合併・買収)を繰り返し、グループを膨張させてきた“錬金術”のような経営戦略は見直しが必至の情勢だ。
ライブドア株は、値幅制限の下限となる596円の売り気配のまま取引が成立せず、比例配分された。比例配分されたのは80万株強で、その約320倍の約2億5900万株の売り注文が残っている。
ライブドアの時価総額は17日、約1050億円縮小し6250億円まで下落したが、市場では「捜査で悪材料が出れば、18日以降に売り注文が一段と増える可能性もある」(大手証券)との声も聞かれた。
また事件の舞台になったとされるライブドアマーケティング株をはじめ、通信販売大手のセシール株、中古車販売のライブドアオート株、マンション分譲のダイナシティ株、ソフト開発のターボリナックス株も、大量の売り注文が殺到し、軒並みストップ安となった。
ネット企業のメディアエクスチェンジ株は買い注文が不足して比例配分できずストップ安の売り気配のまま。いずれも大量の売り注文残を抱え、さらなる株価下落への圧力となっている。
ライブドア関連銘柄は値動きが激しいため、株主には短期の利益獲得を狙うデイトレーダーも多い。市場では「堀江社長を信奉する個人投資家も多く、大量のろうばい売りが出たことも暴落につながったようだ」(大手証券)とみている。
ライブドア側に2億円 バリュー社新株、高値売却
ライブドア関連会社「バリュークリックジャパン」(東京、現ライブドアマーケティング)の株をめぐる証券取引法違反事件で、ライブドア側がバリュー社による出版社「マネーライフ」(東京)の買収を利用して約2億円の株売却益を得ていたことが17日、関係者の話で分かった。
東京地検特捜部は、新株を高値で売り抜けて利益を得る目的で、ライブドア側がマネーライフ買収を主導し、当初から同社を新株の受け皿とした可能性もあるとみて、堀江貴文(ほりえ・たかふみ)社長(33)から事情聴取するなどして関与を捜査する方針。
特捜部は同日、新たにライブドアの監査を担当している港陽監査法人(横浜市)などを家宅捜索した。
関係者によると、バリュー社によるマネーライフ買収は2004年10月に発表された。株式交換の方式で実行され、バリュー社が新株として1600株を発行。マネーライフの100%株主でライブドアが大半を出資する投資事業法人に、新株すべてが引き渡された。
同年11月、バリュー社は株式の100分割や、水増しした決算短信をほぼ同時期に発表。バリュー社の株価は高騰した。
株価が上がった段階で投資事業組合はバリュー社株を売り抜け、ライブドア側に約2億円の転売益をもたらしたという。
関係者は「ライブドア本体側関係者が事実上新株を入手するため、出版社買収という形を用いたのではないか」と話している。
特捜部は、既に事実上ライブドアの傘下にあるマネーライフを新たにバリュー社が子会社化したように見せたり、水増し決算短信を発表したりしたことが証取法が禁じる偽計取引や風説の流布に当たるとみている
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