ロックの時間ですよ!! | 大人図鑑

ロックの時間ですよ!!

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みなさんこんにちは。お元気?はい、ねー。

本日は『ロックの時間ですよ!!』第2弾(前回はSOULFLY)。
日本中から次回を熱望するみなさんの声が約一万羽の伝書鳩となって僕の住むマンションをHIT!!ヒッチコックな気持ちで筆を取った次第です。

さて、今回のロックの時間は


54-71


です。読み方?そのまま「ごじゅうよんのななじゅういち」です。日本のバンドです。


『いらないものをどれだけ削ぎ落として生きれるか』というまるで死に向かうようなテーマに、限界まで挑戦する54-71は痛々しいほどシンプルかつソリッドなバンド。ジャンルはなんやかんやいわれてますが、存在自体すでにロックです。
オススメの音源は『UNTITLED』。メジャーになったり4人から3人になったりしましたが、初期のこの作品をはじめて聴いたとき僕は目眩と危機感を覚えました。
CDの帯にも書いてあるように確かに「隙間が痛い。空気がおかしい。」のです。極限までギターベースドラムの音数を減らしたサウンドに、ボーカルのなぜかヘタクソな英語のラップが呻き声を通り越して呪文のように乗っかります。

僕や僕のまわりの音楽家の多くは「音から繋がって出てくる映像や物語」を連想できるような音楽に取り組んでるわけですが、54-71の音はなぜかどんなにイマジネーションを働かせても何も連想できないのです。連想する余裕を与えられないというか、ただじっと聴くことでしか54-71の音楽に触れられないというか。
鳴っていないことに耳を澄ましてしまい、鳴っていないことに胸が詰まる。そこにあるのはただ音と声と『間』だけ。

なんにもないんだよ。

という無音のメッセージがあるような、いやそれさえもないような。ないことがある?ないはない?無の無?無の有?とかなんとか小難しい考えに無理矢理に引きずり込まれる強烈な重力が、54-71にはあります。音を出さないことで伝えるって音楽家として恐ろしいことですよね。



部屋で一人で聴いてみてほしいロック。真っ暗闇に逃げ込んで身を潜めて耳を澄ましていると、いつのまにか白目で頭グルグルという不思議な感覚が味わえますよ。

無事の帰りは保証できませんが。