5月31日付け公明新聞より転載

全国2000施設掲載の専用サイト/厚労省が開設

■無痛分娩などの有無確認も

 「あなたにあった出産施設」を探せます――。妊婦らが出産費用やサービスを見比べて病院や診療所などの出産施設を選べるようにするため、厚生労働省は30日、施設の情報を「見える化」したウェブサイト「出産なび」を公開した。2023年4月から出産育児一時金が50万円に引き上げられたことと併せて、安心して出産できる環境を整えることなどが狙い。公明党の強い主張を受けて実現した。

 出産なびでは、全国ほぼ全てに当たる2043施設を掲載(30日時点)。平均入院日数や出産費用の平均額のほか、産後ケアや無痛分娩などの各種サービスが受けられるかどうかが分かる。

 サイトから都道府県と市区町村、希望するサービスを選ぶと条件に合った施設の一覧が表示される。地図上から探すこともできる。厚労省は今後、利用者らの声をもとに、随時、サイトを更新していく予定。

 厚労省によると、出産費用(正常分娩)は年々上がっており、全国平均は約48万2000円(22年度)。都道府県別に見ると、最も高い東京都と最も低い熊本県の平均費用は20万円以上の開きがある。一方で、里帰り出産で地方の診療所などを利用する際、ホームページに十分な情報が載っていない場合もあった。

 出産費用の見える化を巡って公明党は、22年11月に発表した「子育て応援トータルプラン」や、23年の経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)に関する提言で政府に実施を求めてきた。その結果、23年12月に策定された国の「こども未来戦略・加速化プラン」に「(24年度からの)実施に向けた具体化を進める」と明記されていた。

星出産なび